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【解説】「全国旅行支援」再開…お得に使うには? “実質無料”になる方法も

2023年1月10日 20:42
【解説】「全国旅行支援」再開…お得に使うには? “実質無料”になる方法も

旅行代金が補助される「全国旅行支援」が10日、再開されました。よりお得に利用する方法や注意点とは――

◇去年との違い
◇“実質0円”の旅行も!?
◇予約の落とし穴

以上の3点を詳しくお伝えします。

■「旅行支援」再開に観光地から喜びの声 すでに「予算上限」に達した県も

まずは、旅行支援の内容からみていきます。旅行代金の割引率は20%です。割引上限額は公共交通機関を利用する旅行商品の場合、1泊あたり上限5000円。それ以外は上限3000円の補助となります。(※日帰り、宿泊のみなどの場合)

また、土産物店などで利用できるクーポンは、平日は2000円、休日は1000円です。前回の旅行支援と比べると割引率は半分に縮小されていて、上限額もそれぞれ低く設定されています。クーポンも平日のみ1000円引き下げられ、3000円から2000円となりました。

前回と比べるとお得感がかなり減ったようにみえますが、例えば平日2泊、公共交通機関を使う旅行で費用が5万円の場合、実質3万6000円となります。

旅行支援の再開に、観光地からは喜びの声があがっています。

金沢 彩の庭ホテルで働くスタッフ
「ご希望の日にちと人数をお伺いします」

金沢市のホテルでは、宿泊予約が次々と入っていました。

金沢 彩の庭ホテル 菊田正治マネージャー
「今は閑散期ですので、宿泊施設自体がお得な価格で出していますので、そこからの(旅行)支援となります。コロナ禍でずいぶん観光業が冷え込んでしまったので、これを機にまたたくさんの方にお越しいただきたいと思います」

期間は、それぞれの都道府県の予算がなくなり次第、順次終了となります。

気になる販売状況ですが、旅行会社のJTBのホームページをみてみますと、10日午後3時の時点で、群馬と栃木は予算上限に達したため配布終了となっています。

このように、大手旅行会社などでは予約が早めに終了することもありますが、宿泊施設に直接予約すれば予約できる可能性はまだ残っているので、チャレンジしてみてもいいかもしれません。

■“実質無料”!? 自治体「独自のキャンペーン」でさらに“お得”に

そして、ここからは「全国旅行支援」の旅をもっとお得に過ごすワザを紹介します。国の旅行支援に合わせて、独自のキャンペーンを行っている自治体があります。

例えば、奈良県ですと上限はあるものの、全国旅行支援の20%引きに加えて、県独自に30%を上乗せして、なんと“半額”になります。

さらに、地域クーポンも独自の上乗せがあり、最大で3000円支給されます。(※平日:3000円 休日:2000円)例えば、平日に1泊6000円の旅行商品の場合、代金が半額になり、(平日なら3000円の)クーポンもつくので、“実質無料”になるということです。(※1人1泊・他県からの利用の場合)

続いて高知県。交通費用を上限5000円まで助成してくれます。(※1旅行あたり1人(台))公共交通機関の場合はその代金、そして、自家用車の場合は高速道路料金が対象となるそうです。しかも、交通費が5000円に満たない場合は、申請すると差額が振り込まれるということです。

最後は広島県です。指定の宿泊施設を利用した場合、1泊あたり2000円分の「広島の酒クーポン」がもらえます。県内で生産された日本酒、ワイン、クラフトビールなどを買うことができるそうです。

■人手不足などの課題も…清掃やフロントスタッフが足らず

一方で、今回の支援策でコロナ禍からの脱却を図るためには、観光業に課題もあるといいます。

航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんによると、宿泊施設などではコロナ禍でスタッフを減らしたため、人手不足が深刻だということです。特に清掃やフロントのスタッフが足りないということで、せっかく支援策が始まっても7割から8割しか部屋を開けられないという宿もあるそうです。

この人手不足の背景には、働き手を担っていた外国人留学生が新型コロナウイルスの影響で減ったことも大きいといいます。

■注意! 海外からの旅行需要の高まりで損するケースも

また、(予約の取り直しについて)前回は全国旅行支援が始まる前の予約でも対応していましたが、今回は対応できないということで、(全国旅行支援が始まる前にホテルなどを予約していて支援を適用したい場合は)予約の取り直しが必要となります。

ここで気をつけてほしいことがあります。旅行需要が高まっている上、訪日外国人観光客の入国も相次いでいるため、予約を取り直すと以前より宿泊料金が高くなり、逆に損してしまうというケースもあるので、予約を取り直す際は注意が必要です。

コロナの影響で団体旅行の需要が減り、個人旅行が増える中、航空・旅行アナリストの鳥海さんは今後の課題について、「観光業界は、この支援策が終わってからが勝負。宿泊施設もいかに独自の魅力を見いだせるか求められている」と指摘していました。

   ◇

今回、全国旅行支援をお得に利用できる情報をお伝えしてきましたが、この支援策によって旅行代金の補助だけでなく、周りの目を気にせず旅行に行きやすい空気感も定着しました。コロナと上手につきあいながら、これからは旅行などの楽しみを増やしていきましょう。

(2023年1月10日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)