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口紅↓ハンドクリーム↑売れ筋変化…ナゼ?

2020年5月12日 19:45
口紅↓ハンドクリーム↑売れ筋変化…ナゼ?

新しい生活様式が呼びかけられる中、お店の商品の売れ筋が変わってきています。新型コロナウイルスの影響の中でも売り上げを伸ばす商品がある一方で、販売的としては苦戦をしている商品も。その明暗を分けた意外な理由を取材しました。

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自宅でリラックスを求め入浴剤が売り上げアップ、サロンに行けずネイル用品が軒並みアップ。今、売れ筋商品がめまぐるしく変化しているという薬局で、意外な商品が苦戦していました。

スギ薬局広報室・迫西克行さん「女性用の化粧品、特に口紅とかがちょっと売れにくくなっています」

化粧品の売り上げが3割もダウンしていたのです。いったいナゼ?

街の女性「最近、化粧品は買ってないですね。マスクしてると(化粧)しなくていいのと、人と会わないので」「下地くらいは塗りますけど、ファンデーションはしないです」「口紅はしない。マスクについちゃうから」

マスクがあるから化粧をしなくていいという考えや、口紅がついてしまうことを懸念する声が聞かれました。

全国約4000の小売店が回答した売り上げが減少した商品のランキングでは、ビデオテープを除いては全て新型コロナウイルスの影響があり、化粧品は5つもランクイン。中でも口紅は、前年の4分の1ほどに売り上げがダウンしました。

また、化粧品以上に売れていないのが、鎮うん剤(酔い止め薬)でした。

スギ薬局広報室・迫西克行さん「普段のゴールデンウイークですと、酔い止め薬は1年間で一番売れるような時期。車で出かけること自体されていなかったので」

車での長距離移動が減ったことが原因だとみられています。

一方、売り上げが増えた「意外な商品」が…。売り上げが3割アップしたというハンドクリーム。いったいナゼ?

ハンドクリームを買った人「手洗いが増えているので、(ハンドクリームを)買うようになった」

皮膚科の吉木伸子医師によりますと、アルコール消毒液を使いすぎると、皮膚の表面にある脂分が減ってしまい、手が乾燥し、手荒れの原因になることがあるといいます。そのため、保湿に役立つハンドクリームが、注目を浴びた格好に。

また、「去年の10倍」売れているという商品も。

スギ薬局広報室・迫西克行さん「ヘアカラー商品は非常によく売れています。普段であれば美容室でカラーリングするような方が、自宅で、ご自身でカラーリングするということで使われています」

薬局の売り上げに「意外な明暗」。一方、こうした現象は、東京・世田谷区の楽器店でも。

太子堂楽器店・富田正文店主「(音楽)教室は全部お休みいただいています。非常に困ってますよ」

店で行っているバイオリンなどの音楽教室は全て休止。そんな中、意外な売り上げが増加したといいます。

太子堂楽器店・富田正文店主「一時期、店の中がいっぱいになっちゃった。管楽器の修理で。予想外ですよね」

修理の依頼が3倍にまで増加したのです。

太子堂楽器店・富田正文店主「この休みの間に修理しておきたい、そういうのが一気に来ました。1日で弦を交換するだけで5人くらい来たりね」

時間ができたこの機会にと、楽器を直しておきたい人が増加したということです。

また、上野の靴店でも、商品の売れ行きに変化が。

イケダヤ靴店上野本店・古市斗馬副店長「打撃を受けたのはビジネスシューズ。時期的にすごく売れる商品ではあるので」

リモートワークの増加で、季節物のビジネスシューズの売り上げが8割近く減少しました。その一方で…。

イケダヤ靴店上野本店・古市斗馬副店長「これを機に靴の手入れをしようという客も中にはいるので、ケア用品に少し動きがあったりとか」

ブラシやクリームなど、靴の手入れに使う備品の需要が増しているといいます。また、「運動不足を解消したい」とランニングシューズが売れているということです。

イケダヤ靴店上野本店・古市斗馬副店長「価格はすごく低価格帯になってしまうが、そういうところで売り上げが積み上げられるのはありがたい」

従来と変わってしまった商品の売れ行き。これまでにない販売戦略が迫られています。