“野菜の高値”を工夫で…「詰め放題」を定期開催するスーパーも
キャベツなど野菜の価格は一時期よりも落ち着きつつありますが、平年よりも高値となっています。そうした中、スーパーでは「野菜の詰め放題」を定期開催するなど、お得な取り組みを取材しました。
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群馬県のスーパーに、山と積まれた野菜たち。その横には…。
記者
「すごい人だかり」
袋を手に、臨戦態勢の人たちが…。ここは、27日に行われた野菜詰め放題の会場。午前10時、詰め放題がスタート。スーパーの売り場が“戦いの場”に変わりました。
用意された野菜は、にんじん、ピーマン、たまねぎ、きゅうりなどなど、たっぷり19種類。さらに、制限時間なし。参加費は、店の会員なら540円。一般価格でも1080円とあって…。
詰め放題参加者
「野菜が高いから。こんな田舎だって高い」
野菜が高値をつける中、食費の節約に燃える人たちが大勢集まっていたのです。
母
「小さいのから詰めるんだよ」
子
「小さいのがないんだよ」
成果が「たまねぎ3個」の我が子を見た母は「あなた本当にもう!」と袋を奪い取り、詰め方を教育。
開始から時間がたち、“職人芸”を身につける人たちも。袋をネギ畑にしていた姉妹は…。
「隙間とかにさ、ネギの間に。ネギばさみ」
さらに、周りの客から技を学習。
「巻いてる人いた。(ニラで)しばっちゃえばいいんだ。ネギとかの間に入れてやってる人いた」
また、こんな“大技”も…
「すごい!キノコさしてる人いますよ」
「やりたい!キノコ生やす」
ネギの上で、しいたけが“豊作”に。すると「やりたい!やりたい!」と、多くの人がまねをする事態に…。
ネギばさみ、ニラしばり、しいたけ載せ。3つの技を駆使して詰めた野菜は、カートいっぱいに。それでも会計は、500円。
客
「こんなにとれたのはすごいよね。野菜自体値上がってるから」
採算度外視という、この詰め放題。月に1回開催する予定で、次回は来月です。
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街の中華料理店も、頭を悩ませていました。
人気メニューのひとつは、キャベツをたっぷり使った「肉野菜炒め定食」(1100円)。
珍来総本店 草加駅前店 三瓶文宏店長
「キャベツだけでも大赤字」
この状況を乗り切る秘策が…。
珍来総本店 草加駅前店 三瓶文宏店長
「うちはキャベツの硬い部分はミキサーで潰して細かくして、ギョーザの具として使ってるんで。国産の野菜にこだわっているので変えないでやってます」
値上げしてでも国産にこだわる店がある中で、野菜炒めの“主役”キャベツを輸入しないと立ちゆかなくなった場所も…。
“物価高の味方”カット野菜の製造・販売会社です。
旭物産 林正二代表取締役会長
「4月5月中旬までベトナム産と台湾産でまかなう。緊急輸入」
国産キャベツの価格が落ち着くまで、ベトナム産で耐えることにしたといいますが、今度は在庫の危機に。今後は台湾産を使いつつ、地元茨城県産のキャベツの収穫ができる5月中旬からは、国産にシフトする予定だということです。