7月を機に平均空室率が変動、名古屋ビジネス地区のオフィスビル事情
オフィス仲介専門の三鬼商事株式会社名古屋支店では、名駅・伏見・栄・丸の内のビジネス地区4エリア内にある賃貸オフィスビルを対象に、テナント入居状況や賃貸条件の動向などを集計。今月、2023年12月時点の集計結果が発表されました。
三鬼商事株式会社名古屋支店によると、12月の名古屋ビジネス地区全体の平均空室率は前月と変わらず5.49%を記録。既存ビル(474棟)の空室率は、1年間を通して大きな増減がなく、平均空室率は1年を通して横ばいで推移しました。
一方、新築ビル(5棟)の空室率は、2023年1月~6月は60%前後を記録していましたが、7月に35.83%に低下。9月に48.44%に上昇しますが、10月の43.16%から12月まで再び少しずつ低下しました。7月に空室率が大きく低下した理由は、2024年4月23日に全面開業をむかえる「中日ビル」の竣工。竣工時に7割の決定率を記録していたことが、全体の空室率低下に繋がりました。
平均空室率をエリア別で比較すると、12月は新築ビルの施工や館内縮小に伴う解約の影響があったものの、拡張移転や新規開設などの成約も多くみられ、名駅エリアと栄地区の2地区で平均空室率が低下。
1年を通して、名駅エリア・丸の内エリアは比較的近い空室率で推移しており、栄エリアは7月にエリア最高値となる4.63%を記録したのち、9月は4.48%、10月は3.95%と下降。伏見エリアは4エリアのなかで、平均空室率が唯一6%以下に低下することがなく、1年間を通して常に6~7%の平均空室率を推移している点が特徴的でした。
平均賃料は各エリアに料金差はあるものの、1年間の間で大きな変化はなく、4エリアともに横ばいで推移。12月時点で、名駅地区は15,388円、伏見地区で11,605円、栄地区は11,096円、丸の内地区は10,644円を記録しました。
2024年の新規供給率(延床面積)は25,216坪、6棟のビルが竣工を予定。1月には名駅エリアに「第2名古屋三交ビル(延床面積6,350坪)」、3月には丸の内エリアに「名古屋シミズ富国生命ビル(延床面積14,400坪)」など予定しています。