“ぼったくり” 被害者が語る2時間で約41万円の請求 名古屋・栄地区で急増 「錦三の夜」誘惑の実態とは…
名古屋随一の歓楽街、栄の錦3丁目。新型コロナの行動緩和とともに活気が戻るこのエリアでは、条例違反にあたる路上での客引き行為が見られます。今年、客引きに連れられ“ぼったくり”にあう被害が急増。3か月前に錦3丁目で実際に被害にあったという男性がインタビューにこたえました。
ぼったくり被害にあった男性:
「だいたい2時間くらいの滞在だったので、4~5万が相場だと思っていた。(実際は)自分が想定していた金額と、22万と11万、3つに分かれてカードが切られていました。追い詰められて払わざるを得ないなと。怒りというか恥ずかしいです」
キャバクラ店を利用した男性が2時間の滞在で請求された額は約41万円。
ぼったくり被害にあった男性:
「その日は仕事終わって、いわゆる路上のキャッチにつかまってお店に行った」
当時、男性は入店した際、カウンターにいた女性2人のためにゆずのリキュールを2本おろしたといいます。その後、つい眠ってしまった男性。
スタッフに起こされ、会計をしようとした男性が見た請求額は驚きの金額。
しかも、そこには頼んだ覚えのないメニューも。
ぼったくり被害にあった男性:
「今まで見てなかったメニューで、シャンパンタワーの写真が入ったメニュー見せられて。実はこのオーダーが入りましたって。値段見たら22万とか。もちろん頼んだ記憶も無いし、頼んでない
し払わないっていう話はしました」
しかし、お店側からは『払えないなら警察に行きましょう。防犯カメラもついている』と言われてしまいます。
被害男性:
「やっぱり追い詰められるというか、払わざるを得ない圧迫された気持ちになります」
男性は警察に被害届を提出。この店をめぐっては他にも被害相談が何件かありその後、店は摘発されました。
栄地区ではぼったくり被害の件数が急増していて、去年1年間で22件あった件数は今年8月末時点で97件。すでに去年の4倍以上です。
中には1人で約760万円を請求されたという人も。
しかし、立証が難しく、摘発しづらい「ぼったくり」。撲滅の方法のひとつとして警察が多く取り締まっているのが客引きです。
愛知県警本部保安課 国光慎一次長:
「ぼったくりが発生するのは、客引きが案内した店が大半です。約9割の方が客引きを利用してぼったくりにあっている実情です」
客引きによる誘いが、ぼったくりへの入り口になるケースが多いといいます。
9月、夜の錦3丁目で番組スタッフが歩いてみると、ほんの数分で客引きにつかまります。キャバクラ、ガールズバーなどの見学をすすめられますが、断っているのにしつこくついてきます。
さらに…。
番組スタッフ:「こういうキャッチって法律とか条令大丈夫なの?」
客引き:「そりゃ~ダメですけど、錦って変わらないじゃないですか。怖いとおもったら身分証明書も見せますよ」
罪の意識はあるものの、勧誘をやめる様子はありませんでした。
警察は大学生や少年がアルバイト感覚で違法な客引き行為をしている例もあるといい、取り締まりを強化しています。
不当な客引き行為は県の迷惑行為防止条例違反にあたり、100万円以下の罰金に処される可能性があります。
また、名古屋市も2018年に「客引き行為禁止条例」を施行し、悪質な客引きはホームページで
氏名を公表しています。
警察によると、ぼったくりの被害にあわないためには、こうした客引きについていくこと以外にも、気をつけるべき点が2つあります。
まずは、“ぼったくり店舗リスト”をチェック。愛知県警は、条例違反が確認された店を県警公式アプリなどで公表しています。
また、店の「セット料金」などが、何を含むのか、含まないのか店舗ごとに料金設定が様々なので思い込まずに店に確認をすることがポイントです。
忘年会が増える年末も近づいてきています。警察は客引きなどの取り締まりを強化するということですが、わたしたち利用する側も注意が必要です。
【中京テレビ 「キャッチ!」 10月5日放送より】