海保×消防 伝統のコラボ訓練 難関といわれる“ロープ登り”に元水泳部の記者も挑戦! 三重・鳥羽市
9月末、三重県鳥羽市の港で、県内で活動する海上保安庁と消防の潜水士らが合同訓練を行いました。
“海猿”とも呼ばれる海での救助のプロフェッショナル、海保の潜水士と行方不明者の捜索のため海で活動することもある消防の潜水士が連携を強化するために毎年行っている伝統の合同訓練なのです。
鳥羽海保巡視船いすず 柴﨑翔平 潜水班長:
「(現場は)気象海象が荒いところがあります。その際に実際に現場に行けるかどうかという訓練と、厳しい環境から脱出する際の無事に生きて帰ってくるための訓練」
訓練は船の周りを1周するコース。
泳いだかと思ったら、縄ばしごを登り船へ。そして、船の縁を両腕で移動する「ひさし渡り」などをウエットスーツやおもりなど、10キロ以上の装備をつけ行います。
鍛え抜かれた肉体の潜水士たちでもすでにキツそうですが、この訓練は80分以内に4周もしなければならないのです。
いくつもある障害の中で、難関なのが岸壁などを登ることを想定した細いロープを登る訓練です。
“難関”といいますが、熟練の潜水士はスルスルと登り、わずか15秒ほどで4メートルのロープを登り切っています。
一体、どこが難関なのか…。
仲山一志記者:
「私も潜水士とほぼ同じ装備で訓練に挑戦してみたいと思います」
高校時代は水泳部だった記者が体当たりで調べてみることに。
海に入り、ロープ登りに挑戦です。体を持ち上げることには成功しましたが、なかなか次の手が出ず、あえなく落下。
柴﨑潜水班長:
「私も最初の3か月くらい全く登れなかったんですよ」
実はこの訓練、腕の力ではなく、ある「技」がポイント。
カギとなるのは「足」。ロープに足をかけて踏ん張っているのです。
ただ、長いフィンをつけた足にロープを絡めるのは至難の業。経験の浅い潜水士はひたすら練習です。
台風による高波などこれからの季節に起こりうる海での事故に備え、訓練に励む日々が続きます。
鳥羽海保巡視船いすず 山下浩一郎船長:
「近年ですと台風が大きくなったり、大雨とか自然災害も甚大化していますので、海上保安庁と消防機関が力を合わせて地域の安心安全を構築できたらと思います」