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農林中央金庫、米国債など10兆円以上売却の方針

2024年6月18日 22:25
農林中央金庫、米国債など10兆円以上売却の方針

農林中央金庫が保有するアメリカ国債などを今年度中に10兆円以上売却する方針であることが分かりました。

外国の債権運用で発生している多額の「含み損」の処理により、今年度の最終赤字額は1兆5000億円規模に拡大する可能性があるとみられています。

農林中金はJA=農業協同組合などを通じて集めた資金の一部をアメリカ国債を中心とした有価証券などで運用しています。

しかし、ここ数年、アメリカの金利上昇により債券の価格が下落し、多額の含み損が発生する状況に陥っています。

関係者によりますと農林中金はこの損失を処理するため現在、保有するアメリカ国債などを10兆円以上売却する方針であることが分かりました。

損失を早い段階で処理しリスクを小さくしたうえで、今後の運用に繋げる狙いです。

この損失処理に伴い先月の会見で今年度の最終利益で5000億円以上と見込んでいた赤字額は、1兆5000億円規模に拡大する可能性があるとしています。

関係者によりますと赤字が拡大しても自己資本比率などいまの財務の健全性に問題はないということで、農林中金は今後、収益性を高めるため運用を見直し、財務基盤の立て直しを図る考えです。