爆買い“封印”春節の訪日中国人観光客 若者の人気は節約最優先「特殊兵式旅行」
旧暦の正月にあたる「春節」の大型連休で、多くの中国人観光客が来日しています。しかし、今年は若者を中心に“爆買い”を封印しているようです。
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3連休最終日の12日。観光客でにぎわう東京・銀座で出会ったのは、「春節」で中国から来た“爆買い”観光客です。
中国から来た“爆買い”観光客
「すでに600万円ぐらい使いました」
ヴィトンのバッグ約120万円に、着ている上着もヴィトンのジャケットで約60万円。
さらに、取材直後に100万円ほどの指輪を購入しました。
中国から来た“爆買い”観光客
「指輪を取り寄せしていて、サイズを試しに行きます」
一方、“爆買いからの卒業”を宣言する人もいました。
中国から来た観光客
「今は日常用品の爆買いより、円安で高価品を買いたいです」
――爆買いは卒業?
中国から来た観光客
「はい、もうしません。周りの人は爆買いより、観光地を回るのが好きですね」
“爆買い封印”する人が多いといいます。別の観光客からも、“爆買い”より“体験”を選ぶ人が増えたという声が聞かれました。
中国から来た観光客
「友人は北海道へスキーに行きました。彼らは遊び(体験)がメインです。」
この背景には、中国経済の停滞があるといいます。
中国の旅行会社
「コロナの後はみんなの収入減ってますから。でも旅行意欲まだある。観光の体験が良いところに(みんな)行きたいです」
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こうした中、中国の若者の間で“超節約旅”を、SNSに投稿する動きが増えています。
たとえば、東京6泊7日の旅で飛行機代も含めて3800元、日本円でおよそ7万6000円と、驚異の低予算です。さらに、羽田空港に到着した春節旅行客から聞かれたのは、聞き慣れない言葉です。
「“特殊兵式旅行”です。今はやっています」
特殊兵式旅行とは、時間や費用を極力抑え、できるだけ多くの観光スポットを巡る、節約最優先の旅行スタイルのことです。まるで特殊部隊の過酷な移動のようになることから、中国のネット上で去年流行語になりました。
特殊兵式旅行に来た人
「7日間で比較的安い費用で有名な都市と観光スポットをできるだけ回る。東京・大阪・富士山・京都・神戸・奈良。若いから節約して世界を見て、年をとった時にいい思い出として振り返ります」
そう言うと、足早に最初の予定地へ向かいました。
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一方、秋葉原で出会ったのは、春節“節約旅”の6日目の中国の若者2人です。
春節で来日 会社員(20代)
「交通費と宿泊代を節約している。その分おいしいものや多くのことを体験したい」
目的は、日本を肌で感じること。
春節で来日 会社員(20代)
「日本の生活の雰囲気を感じるために、街中を適当にぶらぶらする」
細かい予定は決めず、SNSを参考に街をぶらぶら。すると、そこにあったのは閉店直後のアニメショップです。
春節で来日 会社員(20代)
「店が閉まってしまった。買い物をしようと思っていたのに」
頭を抱えるほどのショックを癒やすため、次に向かったのが「馬肉を食べられるところ」。中国では珍しいという馬肉が楽しめる居酒屋です。移動のため取り出したのは、「スイカ」です。
春節で来日 会社員(20代)
「日本でタクシーに乗ると、とても高いと聞いたから」
節約のため電車に乗り、居酒屋のある池袋に到着。しっかりと異国の食文化を堪能し、お値段は2人で9200円ほどでした。
春節で来日 会社員(20代)
「実際にこの国に来ないと、自分の国とは異なる環境と生活を体験できない。とても楽しい思い出になった」
“節約旅”でも、楽しむ時はめいっぱい楽しみます。日本の魅力はしっかりと届いていました。