お歳暮商戦に変化 7割が“贈らない”!?「お返しが大変なので億劫…」事業者に影響も《長崎》
11月29日は語呂合わせで「いい肉の日」です。長崎和牛をPRしようと畜産農家が佐世保市の宮島市長を表敬訪問しました。お歳暮などの贈答品としても人気の長崎和牛。
一方で、「お歳暮文化」にも変化が出ているようです。
「させぼ生まれ、佐世保育ち」をキャッチフレーズにした「長崎和牛」。
11月29日の「いい肉の日」に合わせ、佐世保市の宮島市長に贈呈されました。
コロナ前と比べ、2倍ほどの価格になっているエサもあるなど、資材や輸送コストは高騰。
市内には肉用牛の農家が肥育と繁殖あわせておよそ190戸ありますが、減少傾向となっています。
(JAながさき西海和牛肥育部会田中 比呂志 副部会長)
「広大な土地で育てられているから肉質も脂もいいと思う。消費者に買ってもらって食べていただいて肉がはけていくというパターンが1番いい」
これから年末を迎え、お歳暮などでの贈答品としての消費拡大が期待されますが…。
(JAながさき西海和牛肥育部会田中 比呂志 副部会長)
「物価高になって買い控えが出てきているので難しい状態。これがいつまで続くかわからないというのもあると思うが早く戻ってほしいと思う」
一方、およそ260点の県産品を取り揃え、お歳暮商戦真っただ中の長崎市の県物産館。
五島うどんや冷凍の“角煮まんじゅう”も人気です。
(客)
「贈った。親戚にあまり会わない人だから1年に1回とか2回ぐらいは。交流のために」
こちらも、物価高騰などの影響である変化が起きているといいます。
東京のシンクタンクの調査によりますと20代から50代の男女900人に今年、お歳暮を贈るかどうか尋ねたところ7割が「送らない」と回答したということです。
さらに、お歳暮の必要性については6割が「不要」と回答。
理由として「お金がかかる」「他の手段で感謝を示せる」「準備が面倒」などの意見があったそうです。
街の声は・・・。
贈らないのは受け取り側への配慮も
(20代)
「一度もない。親はやっているのかもしれないが、周りで友達に送るとか親戚に送るというのは、もらったこともないので送ったこともないという感じ。気を遣うというか」
(40代)
「していない。会社でもそういうこともあまりもうお互いにやらないようになっている。行為を押し付けるという感じになるのか」
(60代)
「もらった方もお返しすることが大変なので億劫というか」
受け取り側の負担を配慮する意見が目立ちました。
(県物産振興協会 即売部 有江 圭子 副課長)
「若い方は購入する人が少なくなっているし、ご年配の人もお届け先の人の人数を減らしたり、絞られていると感じている」
県物産館では、お歳暮セールの売り上げが昨年度は3119万円でしたが、今年度は前年より減少傾向にあるといいます。
物価高騰に伴う節約志向の高まりも要因の一つとみられます。
(県物産振興協会 即売部 有江 圭子副課長)
「県産品を購入してほしいが若い人やご年配の人も贈る、贈らないとなっている中でなかなかこちらから積極的に宣伝しづらくなっている」
変化に直面する中、多様なニーズに対応する“お歳暮商品”。
県物産館では、気軽に“自分へのご褒美”に贈ってみるのもいいと呼びかけています。