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今年産青森県産米の“概算金”は過去最高値! 農家の声、店頭価格への影響は?

2024年9月9日 18:35
今年産青森県産米の“概算金”は過去最高値! 農家の声、店頭価格への影響は?

コメ農家に支払う前払い金「概算金」の目安額が示され、ここ20年で最大の上げ幅となりました。農家の収入が上がる一方、店頭価格も高くなると見込まれます。

★全農県本部 成田具洋本部長
「ここ20年では過去最高です 生産者がこれから営農を継続していけるそういう単価をめざしたのが1つ 非常にコメの需給がひっ迫しているそういう環境も一定程度配慮した」

「概算金」は農協が生産者からコメを買い取る際に支払う前払い金です。全農県本部が示したことしの目安額は1等米60キロあたり「まっしぐら」と去年全国デビューした「はれわたり」はいずれも1万5,000円でした。
「まっしぐら」は去年より4,200円「はれわたり」は去年より4,000円引き上げられました。また、ブランド米「青天の霹靂」は去年より2,000円高い1万7,100円でした。
全農県本部によりますと主力の3つの品種が過去最高額で、過去20年の概算金と比較しても最も高く、上げ幅も最大ということです。
ことしは全国各地で概算金が2割から4割ほど増えています。
コメの品薄も続くなか、気になるのは店頭での価格です。

★成田具洋本部長
「当然概算金が上がるということは店頭価格はアップしていきます 去年までのような単価だとなかなか生産者としてはやっていけない ある程度(価格の)引き上げをしてもらわないと 一定程度消費者の方には今のコメの適正価格がどこなのかというのをきちんと我々は発信していくし、それを理解してもらいたい いくらが良いのか今後慎重に検討しながら探っていきたい」

「はれわたり」と「青天の霹靂」を栽培する鯵ヶ沢町姥袋町の今信一さんは概算金の大幅アップについて…。

★コメ農家 今信一さん
「大きいです 生産者は喜ぶでしょうね 肥料も(値段が)上がっているし、やっぱりそれなりにコメも上がってもらわないと生活するのに大変です」

鯵ヶ沢町日照田町の橋本慶毅さんは肥料や資材の高騰に苦慮してきたといいます。

★コメ農家 橋本慶毅さん
「軒並みだよ 肥料、農薬、資材ハウスは坪8,000円で良かったのが1万2,000円くらいになってしまった」

概算金の大幅アップは身が引き締まる思いと話します。

★橋本慶毅さん
「我々もただ値上がったその分もらうということでなく努力しておいしいコメを作るとそういう気持ちでがんばらなければだめだと思います」

農協の組合長の評価はさまざまです。

★青森農協 鹿内克之組合長
「久しぶりに豊作を心から喜べるようになったなと 今まで赤字なんですよ 今回はいくらか残るのかなと この値段がずっと続いてもらえると農家もだんだん増えていくのかなと」

★つがるにしきた農協 山中満春組合長
「いつもの年であれば満足できる単価ですが周りの業者があまりにも高くて 庭先販売とか買いに来ている人がとても高くてそれがいちばんネックになっている とても太刀打ちできる額ではない」

一方、県内にも広がっている米不足。中泊町の卸業者長幸では猛暑の影響で昨年産のコメがいつもの年の8割ほどしか手に入りませんでした。倉庫に残っている昨年産のコメは近隣の飲食店などに卸す分があとわずか。ことしは新米がいつも通り入荷できることを期待しています。

★長幸 長利勝弘社長
「去年おととし不作だったのもあるんですけどもことしは平年作またはそれ以上だと思ってとても期待しています(新米は)1か月も2か月も待たずとして2週間くらいで店頭に並んでいくと思いますのでご安心くだされば」

品薄状態が続く中、県内の一部のスーパーには早くも今年産米の入荷が始まっていて、今月下旬には流通が本格化する見通しです。

★県農産園芸課 舘山元春課長
「青森県は(コメの作柄予想が)全国で唯一「良」となっていますので収量もとれると思いますし天候にも恵まれましたので品質、食味とも良好でおいしい県産米がまもなく出回ると思います」

全農県本部によりますと今年産主食用米の集荷目標は9万3,000トンと去年産を1万1,000トンあまり上回る見込みです。

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