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ハリケーン「ミルトン」で700万人以上に避難命令 災害対応…米大統領選“勝敗のカギ”に?

2024年10月11日 6:11
ハリケーン「ミルトン」で700万人以上に避難命令 災害対応…米大統領選“勝敗のカギ”に?

“過去100年で最悪の嵐”ともいわれたハリケーン「ミルトン」がアメリカ・フロリダ州に上陸しました。上陸前から竜巻も発生し、700万人以上に避難命令が出ています。

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吹き荒れる風と、横殴りの大雨。スタジアムの屋根は吹き飛ばされ、クレーンが倒れ道路をふさいでしまった場所もありました。

日本時間10日午前、アメリカ・フロリダ州に上陸した非常に強いハリケーン「ミルトン」。大規模な浸水被害も発生。家に取り残された住民らをボートで救助していました。

「ミルトン」はピーク時には5段階のうち最も強い「カテゴリー5」に発達。上陸前から各地に甚大な被害をもたらしました。ハリケーン「ミルトン」についてバイデン大統領は…

バイデン大統領(8日)
「過去100年で最悪の嵐となる恐れがあります。避難命令が出ているなら、すぐにでも避難してください。大げさではなく生死に関わることです」

非常事態宣言が出されたフロリダ州では、高速道路で渋滞が発生。700万人以上に避難命令が出されていて、ガソリンスタンドには給油待ちの長い車の列ができていました。

特に大きな被害をもたらしているのが、上陸前から相次いで発生した竜巻です。少なくとも27の竜巻が確認されたというフロリダ州。約125棟の住宅が破壊され、330万世帯以上が停電。4人が死亡したということです。

被害にあった住人(米・フロリダ州、9日)
「全てが一瞬でした。すぐそばで突然、窓が吹き飛んだんです。2匹の犬を抱きかかえてベッドに逃げ込みました」

フロリダ州には先月にもハリケーン「ヘリーン」が上陸。死者は6つの州で200人以上にのぼり、2005年に1800人以上が死亡したハリケーン「カトリーナ」に次ぐ被害となりました。

被害の大きかった州のうちノースカロライナ州とジョージア州は、来月に迫る大統領選挙の激戦州。災害対応が、選挙の行方に影響を与える可能性も指摘されているのです。

実は過去にも…。12年前、選挙戦最終盤を襲ったハリケーン「サンディ」の対応をめぐり、現職候補だった民主党のオバマ大統領が数日間にわたって遊説日程をキャンセルし、被災地へ。これが迅速な対応だと評価され、再選を後押ししたとされています。

こうしたことから、一部のアメリカメディアは今回、続けて襲来したハリケーン対応が選挙の直前に情勢を大きく変えるいわゆる"オクトーバーサプライズ”になりうると指摘。

トランプ前大統領は早速…

共和党 トランプ前大統領(3日)
「(民主党の)ハリケーン対応は、歴史上最悪だ。カマラはFEMA(連邦緊急事態管理庁)の何十億ドルもの金を、全て不法移民のために使っている」

“災害対応のための資金が、不法移民に流れている”との主張に、バイデン大統領とハリス副大統領は反論。

民主党 バイデン大統領(9日)
「なんてばかげているのか、事実ではない」

民主党 ハリス副大統領(7日)
「トランプ前大統領によって、多くの誤った情報が流されている。非常に無責任だ」

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ハリケーンは上陸後、「カテゴリー1」に勢力を落としましたが、引き続き厳重な警戒が呼びかけられています。

(10月10日放送『news zero』より)

最終更新日:2024年10月11日 6:11