トランプ氏、新司法長官にゲーツ下院議員起用へ 過去に性的人身売買容疑も…
アメリカのトランプ次期大統領は、次の司法長官に自身の熱烈な支持者、マット・ゲーツ下院議員を起用すると発表しました。
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13日、アメリカ・ワシントンのホワイトハウス前の沿道には多くの人々が詰めかけていました。その視線の先には…
山崎大輔記者
「トランプ次期大統領を乗せたとみられる車列がホワイトハウスに到着しました。これからバイデン大統領との会談にのぞみます。トランプ氏を乗せたと
みられる車列がホワイトハウスに到着しました」
トランプ次期大統領がホワイトハウスを訪れるのは、およそ4年ぶりです。もうじき、かつての“城”を取り戻すことになります。
バイデン大統領
「次期大統領ドナルド前大統領、おめでとうございます。ようこそ」
トランプ次期大統領
「ありがとうございます。政治は厳しいもので、多くの場合、いい世界ではありません。しかし、今日はいい世界であり、これ以上ないほどの円滑な政権移行にとても感謝しています。ジョー」
バイデン大統領
「どういたしまして」
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前回、2020年の大統領選でバイデン氏が勝利した際は一切、負けを認めなかったトランプ氏。「議事堂に向かって歩こう」と支持者をあおり、多くの支持者らが議事堂を襲撃する事件が発生しました。
トランプ氏はその事件も含め、大統領経験者としては史上初めて起訴されました。その苦い経験からか、第2次トランプ政権では、法を司る「司法長官」を、重要ポストの一つに位置づけています。
トランプ氏が次期司法長官に起用すると発表したのが、かつて自身の裁判を見守ってくれていた42歳のマット・ゲーツ下院議員。トランプ氏は次のように語っています。
トランプ氏の声明(トランプ氏のXより)
「マットは司法省の腐敗を根絶し、犯罪と戦い、民主主義と憲法を守るという、司法省の本来の使命を取り戻します」
ただ、この人事に全米が揺れています。
NYタイムズは「下院議員で最も嫌われている人物の1人」「驚くべき、そして挑発的な動きだ。荒々しい人物を置くことになる」としています。
どういうことなのか。日本を観光しているアメリカ国民に、ゲーツ氏の印象について聞きました。
アメリカ国民・トランプ氏に批判的
「マット・ゲーツは、性的人身売買の疑いで捜査されていました。司法長官は非常に強力な地位で、FBIなどの責任者です。なので非常に心配しています」
アメリカ国民・トランプ氏に批判的
「マット・ゲーツは、子どもの性的人身売買の疑惑がある。彼が司法省のためにいいことをしないだろうと本当に思っています」
トランプ氏に批判的な人たちが、ゲーツ氏についてそろって口にしたのは、性的人身売買の疑惑についてです。実はゲーツ氏は過去に未成年の少女に金銭を支払ってわいせつな行為をした疑いで、司法省から捜査を受けたことがあるのです。
さらに人工妊娠中絶を巡っても、過去に物議を醸しています。中絶には反対派のゲーツ氏は、あるイベントで賛成派の女性をやゆしました。
ゲーツ氏
「賛成派の女は本当に気持ち悪い。親指みたいな(見た目の)女を誰も妊娠させたがらない。妊娠できそうにない女がなぜ、 中絶を心配するのだ」
差別的な発言が問題となりました。
──アメリカではどんな印象?
アメリカ国民・トランプ氏に批判的
「多くの人は、彼と若い女性との関係が不適切だと思っています」
一方で、トランプ氏を支持する人からは…
アメリカ国民・トランプ氏を支持
「政治家はみんな、何らかのかたちで腐敗していると思う。もしトランプが私たちの国を守り、金持ちや貧乏人だけでなく、みんなを助けてくれるなら、私はトランプにチャンスを与えて、何が起こるか見たい」
第2次トランプ政権は、来年1月に発足します。