レバノン国民議会は9日、新たな大統領に軍の最高司令官、ジョセフ・アウン氏を選出しました。レバノンでは政治的な対立が続き、大統領が26か月以上、不在の状態が続いていました。

レバノンの国営メディアは、国民議会が9日、陸軍のトップ、ジョセフ・アウン司令官を新たな大統領に選出したと伝えました。レバノンでは長く政治的な対立が続き、2022年10月に前の大統領が退任してから26か月以上も大統領が不在のままでした。

レバノンでは、イスラム教シーア派組織ヒズボラが隣国のイスラエルと交戦していましたが、昨年11月に停戦しました。アウン氏は、イスラエルとヒズボラの停戦交渉にもかかわった人物です。

アウン氏は9日に演説を行い、「イスラエルの敵がレバノンのあらゆる地域で破壊したものを再建する。そしてイスラエルとの停戦を尊重する」と述べました。

停戦は今月下旬に期限切れを迎えますが、イスラエルメディアはレバノン軍の展開が遅れているため、イスラエル軍がレバノン南部への駐留期間を30日間延長することを検討していると報じています。