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“三保松原逆転登録”日本のロビー活動実る

2013年6月23日 1:58

 日本時間22日午後、カンボジアのプノンペンで開かれていたユネスコ(=国連教育・科学・文化機関)の世界遺産委員会で、日本の「富士山」が世界文化遺産に登録されることが決まった。焦点の静岡市の「三保松原」も含まれ、日本が望んでいた形となった。

 静岡・川勝平太県知事「(三保松原についての)発言を聞くうちに、胸が熱くなるどころか、本当に奇跡だと思いまして」

 山梨・横内正明県知事「歴史的な瞬間に立ち会うことができて感無量です」

 富士山は山岳信仰の対象としての宗教的な特殊性や芸術性が評価され、当初から登録が確実視されていた。焦点となっていたのは、ユネスコの諮問機関から、富士山から遠いなどの理由で除外が勧告されていた三保松原だったが、審議が始まると、多くの委員国から「三保松原は除外すべきではない」との意見が相次いだ。

 日本側ですら「厳しい」と漏らしていた状況を覆し、三保松原を含む形での世界遺産登録となった。各国の関係者らに富士山や三保松原の魅力をアピールする冊子などを作成するなどの、日本政府代表団のロビー活動が実った形。

 ドイツ政府代表「(三保松原について)日本の代表団の働きかけで認識するようになり、すぐ説得されたよ」

 マレーシア政府代表「やっぱり(三保松原を)外すべきじゃないと強く思いました」

 その一方でユネスコは、2016年までに環境保全の報告書を提出するよう求めている。世界遺産登録を受けて、訪問客の増加が予想される中、どのように環境保全を図るかが課題となる。