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最高指導部経験者を立件へ 中国で何が?

2014年7月31日 8:37

 中国共産党の最高指導部経験者に対し、異例の取り調べが進められている。慣例を破っての調査に、中国国内では衝撃が走っている。

 中国共産党が29日、立件して本格的な取り調べをすることを決めたのは、前胡錦濤政権の最高指導部の1人で、共産党の政治局常務委員を務めた周永康氏(71)。周氏は、警察や司法の分野でも絶大な権限を握っていたが、エネルギー行政に影響力を持つ重鎮でもあり、石油利権による巨額の隠し資産があるとの疑惑が浮上している。

 中国では、最高指導部経験者が汚職で摘発されないという慣例があるが、習近平指導部は就任以来、「虎もハエもたたく」として、地位の高さを問わず、腐敗を摘発する姿勢を続けてきた。専門家は、習近平指導部は大きな賭けに出たと話す。

 歴史学者・章立凡氏「虎たたきに成功すれば多くの支持を得られるが、失敗すれば支持は得られない。習主席は一定のリスクを負っている」

 習近平指導部は、最高幹部への摘発により、国民に腐敗撲滅への強い決意を改めて示すとともに、政権基盤の強化を図る狙いがあるとみられる。