衆議院の憲法審査会で４日、与党が推薦した専門家を含む参考人３人全員が現在、別の特別委員会で審議中の安全保障関連法案について「憲法違反」との認識を示す異例の事態となった。

　自民・公明・次世代の推薦で憲法審査会に出席した早稲田大学の長谷部教授は、「（集団的自衛権の行使容認は）従来の政府見解の基本的な論理の枠内で説明がつきませんし、法的な安定性を大きく揺るがすものだと考えております」と述べ、安全保障関連法案における集団的自衛権の行使容認は憲法違反との認識を示した。

　さらに野党側が推薦した２人の参考人も「違憲」と明言した。

　こうした事態に自民党幹部からも「予想外のことだ。審議に影響がないようにやっていくしかない」との声があがっている。

　一方、菅官房長官は「全く違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」と反論した。