口永良部島 専門家“天候により土石流も”
鹿児島県・口永良部島の新岳では29日、爆発的噴火が観測された。上空から観測した火山の専門家は、今後の天候によっては土石流が発生する可能性があると指摘している。住民が避難している屋久島から中継。
屋久島には3か所の避難所が設けられている。このうち宮之浦公民館には24人の住民が避難していて、不安な一夜を過ごした。
午前8時過ぎ、NNN取材団がヘリコプターから撮影した映像からは、一夜明けた新岳の上空に、白い煙がたちのぼっているのが確認できる。山頂付近は厚い雲におおわれ全体を見渡せず、山全体が灰色におおわれているのが確認できた。
29日の爆発的噴火では、火口からすべての方位に火砕流が広がり、約2キロ離れた北西側の向江浜に到達。島の約2割まで広がったという。
一方、29日一日で198回あった火山性の地震は、30日は午前10時までに4回しか観測されていない。30日は火山の専門家らが上空から観測、天候によっては今後、土石流が発生する可能性があると指摘した。
京都大学防災研究所・井口正人教授「火砕流の範囲はレベル5にあげるのに十分な範囲である。見ている限りでは火山ガスの放出は相変わらず多い。あれだけ火砕流がたまっているので、昭和6年のときも向江浜で土石流が発生しているので、今回も雨が多量に降れば同じように土石流が発生すると思う」
30日は政府調査団として派遣された内閣府の赤沢亮正副大臣が、避難所を訪れ、住民から話を聞いた。屋久島ではこの後、昼過ぎから雨が降りはじめ、夕方から31日明け方にかけては、場所によっては雷を伴った激しい雨が降るところもあるという。