クロマグロ 東大西洋の漁獲枠20%増へ
日本時間17日午後5時過ぎ、ICCAT(=大西洋まぐろ類保存国際委員会)年次総会で、最終日の会議が始まり、大西洋クロマグロの漁獲枠が議論されている。会議が行われているイタリア・ジェノバの会場から小島康裕記者が伝える。
日本時間17日夜に入った情報によると、主な漁場の東大西洋について来年の漁獲枠を今年に比べて20%増やすことで合意した。来年から3年間、20%ずつ増やすという。
会議では、漁獲枠を各国ごとにどう割当てるかについて、大詰めの協議が行われている模様。ただ日本については、今年の割当量から200トンほど増えることで落ち着きそうな情勢。
「Q.漁獲枠を拡大してもこの海域のクロマグロの数は維持できるということなのだろうか?」
必ずしもそうとは言えないと思う。確かに大西洋のクロマグロは回復してきているが、地中海のマグロ専門家に話を聞くと、どれくらいの速さで回復しているのかなど、分からないことも多いそうだ。そして、漁獲枠を拡大した場合に、その影響が現れるまでには時間がかかるとも話していた。その意味で専門家は、毎年20%の増加というのは急すぎると指摘していて、今後も慎重に状況を見ないと再び資源の枯渇を招く恐れがあると思う。