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次期米駐日大使“知日派”ハガティ氏とは

2017年4月3日 14:04
次期米駐日大使“知日派”ハガティ氏とは

 アメリカのトランプ政権は先日、新しい駐日大使に、日本に深い理解を持つウィリアム・ハガティ氏を指名した。東京に駐在した経験もあるハガティ氏は、どのような人物なのか。

 ホワイトハウス・スパイサー報道官「大統領は、さらなる政権人事を発表しました。日本大使に、ウィリアム・フランシス・ハガティ氏」

 ハガティ氏は政権移行チームの幹部で、トランプ大統領からの信頼が厚いことで知られている。以前は、投資金融会社を設立したほか、コンサルティング会社に勤務していた時には、東京に3年間、駐在した経験がある。

 駐日大使は、歴代の大統領が重視してきたポスト。元大統領の娘として知名度が抜群だったキャロライン・ケネディ前大使は、オバマ前大統領と非常に親しい間柄で、歴史的な広島訪問を後押しした。

 また、過去には、副大統領を務めたモンデール氏や、下院議長を務めたフォーリー氏など大物も起用された。

 なぜ、トランプ大統領はハガティ氏を指名したのか。その理由を探るため、ハガティ氏の地元・テネシー州を訪ねた。

 州内に進出している外国企業の数で、日本は1位だ。日産自動車が2006年、北米事業の本社をカリフォルニア州からテネシー州に移すなど、これまでに180社以上の日本企業が進出している。

 実はハガティ氏、テネシー州の経済開発庁の長官として、過去、これらの誘致に尽力。年に2回のペースで来日し、6年間で79社を呼び込んだという。

 ハガティ氏「(テネシー州と)日本との特別な関係を一言で表すなら『ともだち』。日本ほどテネシー州によい影響をもたらす国はない」

 トランプ大統領としては、ハガティ氏を起用することで日本からアメリカへの投資の拡大など、日米の経済関係をより強化したいとの狙いがあるものとみられる。

 今年1月、アメリカで行われた日本企業の関係者らが集まる新年会では、ハガティ氏への期待の声が上がった。

 日産自動車の社員「(テネシー州出身が大使になってもらえれば)うれしいですね」

 自動車関連会社社員「(日本を知る人が大使になることは)メリットになると思いますし、アメリカと日本の関係が良くなっていくのではないかと期待しています」

 ハガティ氏は「自ら駐日大使に名乗りをあげた」とも言われている。今後、議会での承認が得られれば、正式に大使に就任することになるが、最大の課題は日米の経済関係だ。

 先月の首脳会談では、蜜月ぶりをアピールした安倍首相とトランプ大統領。

 トランプ大統領「経済問題に関しては貿易関係を追究し、自由で公正で双方を潤す関係を求めていきたいと思う」

 しかし、アメリカ側から今後、自動車分野などで厳しい要求が出ることも予想される。ハガティ氏は、こうした日米間の調整も担うことになるのだ。

 ハガティ氏の下で副長官を務めたアレン・ボーデンさんは、ハガティ流の交渉術についてこう話す。

 テネシー州経済開発庁・ボーデン副長官「ハガティ氏は、公平で頭の柔らかい人です。交渉を成功させる術を知り尽くしていて、交渉の最後には必ず全員を満足させていました」

 一方で、ハガティ氏は日本への敬意を忘れなかったという。

 日米協会のリー・ワイランドさん「ハガティ氏は経済関係だけでなく、日本の文化をテネシーの人々にも紹介しようとしていました。適切な名刺交換の仕方を教えるなど、初めて日本に行く人、特に仕事で訪日する人にアドバイスしていました」

 日米の懸け橋となる駐日大使。ハガティ氏がどのような手腕を発揮するのか注目される。

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