16歳が200円で売春…少女が語る迫害
アウン・サン・スー・チー氏が国家顧問を務めるミャンマーでは、少数派のイスラム教徒“ロヒンギャ”が迫害を受け、大量の難民となって隣国・バングラデシュに逃げ込んでいる。そんな中、難民の少女たちを食いものにする犯罪行為も広がりつつある。
16歳で売春させられる少女の対価は、約150タカ(200円)。セヌアラさんはロヒンギャと呼ばれる、国を追われた少数民族だ。避難先のバングラデシュ南東部にあるコックスバザールでは、10人ほどのロヒンギャの少女たちが、安いホテルで売春をさせられているという。
セヌアラさんは、現状に至った経緯をこう語る。
「ブローカーから『仕事がある』と誘われて連れてこられたのです。売春はやめたいです。とてもつらいです」
彼女たちは組織に監視されているため、逃げることができないという。
ロヒンギャとは、ミャンマー西部に住むイスラム教徒の人々のことだ。仏教徒が9割を占めるミャンマーでは少数派で、国籍を与えられないなど、差別を受けてきた。
去年8月、ミャンマーの西部ラカイン州で、ミャンマー治安部隊がロヒンギャの武装集団に対し、掃討作戦を実施。一般市民に対する迫害へとエスカレートし、多くのロヒンギャが着のみ着のままで故郷を追われた。
これまでに約70万人がバングラデシュに流入し、現在、キャンプにはおびただしい数の小屋が立っている。急斜面にいくつも住宅が立ちならんでいる状況だ。難民キャンプに逃れた少女・ミナラさんに話を聞くと――
「父も母も兄姉も殺されました」
ミャンマー軍に家族を殺され、自身はレイプされたという。そして、ミナラさんはこう話す。
「帰りたくはありません。私たちの求める権利が与えられない限りは」
さらなる迫害を恐れ、故郷への帰還を拒むロヒンギャ。安らげる日はいつくるのだろうか。
【the SOCIAL viewより】