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日中、国民感情に温度差…相互理解のカギは

2018年10月27日 18:41

安倍首相の中国訪問で関係改善をアピールした日本と中国。しかし、国民感情のレベルでその距離はまだ縮まっていないようだ。相互理解を進めるカギはどこにあるのか?草の根交流の現場を取材した。

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26日、都内の映画館には、ずらりと並んだ美男美女の姿が。映画イベント『2018東京・中国映画週間』閉幕式のため来日した、中国映画界のスターたちだ。

イベントでは、中国の伝統的な歌劇による大迫力の殺陣も披露。映画を通じた文化交流で、中国のスターたちも日中友好ムードを盛り上げる。

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しかし、最近の世論調査では、日本への印象を「よい」と答えた中国人が初めて4割を超え42.2%となった一方、日本では9割近い86.3%の人が中国の印象を「よくない」と答え、国民感情の温度差が浮き彫りになった。(出展:言論NPO「第14回日中共同世論調査」)

街の人に聞いてみると、ネガティブなイメージが多いようだ。

街の人「中国はあまり行きたいとは思わないです」「(中国人は)ちょっと怖い」「(中国人観光客の)ルール・マナーとか、ちょっとどうかなって」

夏休みの旅行先の人気ランキング(出典:日本旅行業協会)でも、トップ10位に中国は入らず、中国旅行の人気はいまひとつ。

こうした状況を打破しようと、中国の観光当局が力を入れているのが──

中国駐東京観光代表処 王偉首席代表「『女子旅』は日本でも中国でも同じようにブームになっています。女性たちの強い勢いが、旅行界を引っぱる存在となっています」

中国で『女子旅』を盛り上げ、観光客増加につなげたい狙い。

安倍首相も、訪問先の北京で25日、実際に現地に行くことの重要性を訴えた。

安倍首相「何より重要なのは、直接足を運び、自らの目でありのままの姿を見ることではないでしょうか」

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NNNは、東京・豊島区で21日、日中「草の根交流」の現場を取材した。

坂井英人記者「池袋の公園に、たくさんの人が集まって立ち話をしています。中国語を話してますね…」

東京・池袋の公園で毎週開かれている、この「日曜中国語コーナー」では、無料で誰でも参加することができ、日本人や中国人がことばを教え合うなど、交流が楽しめる。

発案したのは、中国出身で、出版社を経営する段躍中さん。

段躍中さん「まず中国人と接触してください。中国人と交流してください。ふれあえばもちろん、イメージ変わっていくと思う」

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この日、段さんの出版社を訪れたのは、大友実香さん(36)。今年3月までおよそ2年半、夫の転勤で中国・上海に暮らしていた。今回、大友さんは、段さんが募集した「中国の思い出」をテーマにした作文集に応募した。かつて中国人に「怖いイメージ」を持っていたが、現地の人との出会いがその印象を変えたという。

現地で中国語を教わった陳旭静さん。大友さんは去年、ある中国語のスピーチコンテストで2位となったが、目標だった1位に届かず陳先生に悔しい気持ちをメールしたという。

大友実香さん「その日の夜中の1時くらいに、すごい長いメールが来て、悔しかったのは分かると。でも今やっていることは間違いではないし、これからの中国での日常を楽しむようにってことで、私も寝る直前に見たんですけど、ベッドの中でうるってきました」

大友さんは、「現地の人との出会いが、その国の印象に大きく影響する」という。

大友実香さん「人と人、隣に居る人、近所の人、普段顔合わす人ってところから国のイメージって出てくるんだなと」

いまだに溝のある日中の国民感情。人と人との交流がその溝を埋めることはできるのだろうか。