象牙取引全面禁止求める決議案 採択見送り
スイスで開かれているワシントン条約の締約国会議で21日、象牙が流通する日本などを念頭にした、取引の全面禁止を求める決議案の採択が見送られた。
絶滅のおそれのある野生動植物を保護するためのワシントン条約の締約国会議は、スイスのジュネーブで開かれており、象牙やその加工品が大量に流通する日本などを念頭に、国内に象牙の市場を持つ各国に対し、取引の全面禁止を求める決議案が採択されるかが焦点となっていた。
この議案に関する21日の委員会審議では、国内市場に関する議案は、国際取引を規制するワシントン条約の審議にはなじまないとの意見が相次ぎ、議案の採決が見送られることが決まった。
この議案に代わり、国内に象牙市場を持つ国に対し、アフリカゾウの密猟や違法取引を助長させないための取り組みについて、報告を求める議案が採択され、今月末の全体会議で採決されることになった。