ロシアに北朝鮮兵? 「3つの動画」検証…森の中で武装 “地雷訓練”の可能性【バンキシャ!】
ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、北朝鮮軍の兵士がウクライナ軍との「戦闘に参加」していることを明かし、すでに「死傷者」が出ていると主張。バンキシャ!は、ロシアの森の中で武装した人物たちの映像に注目。これが北朝鮮軍の兵士なのか?【バンキシャ!】
◇◇◇
9日、バンキシャ!が接触したのは、ウクライナの軍事ジャーナリスト。ロシアによるウクライナ侵攻を取材する中で、11月6日、3本の動画をSNSに投稿していた。
バンキシャ!
「投稿した動画は、あなたが撮影したものですか?」
ウクライナ人ジャーナリスト アンドリー・ツァプリエンコ氏
「いえ、違います。信頼できる協力者から入手しました」
バンキシャ!は、その3本の動画を提供してもらった。
まず1本目。車の中から撮影されたように見える13秒の動画。
ヘルメットをかぶり、茶色いリュックを背負った集団が、輪になっているように見える。その中心には、右手を挙げ、何かを話しているような人も。
2本目は10秒の動画。
(ロシア語)
「弱く…弱く…」
迷彩服を着ているのは兵士だろうか。ロシア語を話している場面も。顔はアジア系のように見える。一人一人が銃を持ち、その銃には、赤い印がついていた。向かって右の人物は、白い紙のようなものを持っている。
3本目は、わずか3秒の動画。男性の顔が映った後、複数の丸い物体が映る。すぐ側には、迷彩服姿の人が数人立っている。
これらはいったい何の映像なのか?
防衛省などに30年以上勤めた専門家に、この動画を見てもらった。
安全保障ジャーナリスト 吉永ケンジ氏
「銃の特徴として、これは『AK-12』じゃないかと思われます」
持っているのは、2011年に開発がはじまったAK-12という銃だと考えられるという。
安全保障ジャーナリスト 吉永ケンジ氏
「AK-12っていうのは、ロシアの地上軍で一番普及している一般的なもので特段、最新型を支給されたというわけではない」
さらに、丸い物体については…
安全保障ジャーナリスト 吉永ケンジ氏
「これが『TM-62』というロシアが持っている対戦車地雷です」
ロシアが旧ソ連時代から使ってきたもので、人ではなく、戦車の重さによって爆発する地雷だという。
この動画を入手したジャーナリストは…
ウクライナ人ジャーナリスト アンドリー・ツァプリエンコ氏
「ロシア軍の指導役が北朝鮮兵に地雷の訓練を行っている。設置と除去の方法を教えている可能性があります」
ロシア軍内部のものと見られる映像。どうやって入手したのか?
アンドリー・ツァプリエンコ氏
「北朝鮮の兵士を訓練していたロシア軍の指導役が撮影したもので、信頼できる協力者から入手しました」
11月1日か2日に撮影されたものだという。提供を受けた動画の記録データを見てみると…
バンキシャ!
「日付が11月5日の11時41分になっています」
これは、ジャーナリストが動画を入手した時刻とみられ、SNSに投稿したのは、翌6日5時29分。(アンドリー・ツァプリエンコ氏のテレグラム)
撮影日との矛盾はない。
バンキシャ!が入手した3本の動画。そこに映るのは、ロシアに派遣された北朝鮮兵なのだろうか。
バンキシャ!は、この動画を、ウクライナ軍の特殊部隊傘下で情報収集を行う組織に見てもらった。
ウクライナ軍 国民抵抗センター 報道官
「この銃はロシアの部隊が使っているものです。我々が知る限りでは北朝鮮兵も同じものを使っています。ロシアの武器である可能性が高いです」
その根拠は、銃につけられた、赤い印。
ウクライナ軍 国民抵抗センター 報道官
「ロシア軍の部隊であることを示すために色がついているんです。この動画は本物のように見えます。クルスク州にいる北朝鮮兵かもしれません」
ロシア西部のクルスク州で撮影された“北朝鮮兵”だとみられると話した。
実はこの動画の一部は、ウクライナ軍の支援団体も手に入れていた。
Blue/Yellow 共同創設者 ジョナス・オーマン氏
「クルスク州にいるウクライナ軍の兵士からもらいました」
ロシアで撮影されたとみられる動画が、なぜウクライナ側の手に渡っているのか。
Blue/Yellow 共同創設者 ジョナス・オーマン氏
「捕虜となったロシア兵の携帯電話から抜き出されたものです」
捕虜となったロシア兵から手に入れたという。
一方で、専門家が指摘したのは“別の入手経路”だ。
安全保障ジャーナリスト 吉永ケンジ氏
「スマートフォンのハッキングをしてデータを抜いている。そういうことは十分考えられる。特にこの地上戦においては、個人が持っている携帯電話が、一番情報が流出する原因になるし、むしろそれを利用して相手の敵の動きを探知する、その1つの重要なキーになっているのは間違いない」
*11月10日放送「真相報道バンキシャ!」より
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9日、バンキシャ!が接触したのは、ウクライナの軍事ジャーナリスト。ロシアによるウクライナ侵攻を取材する中で、11月6日、3本の動画をSNSに投稿していた。
バンキシャ!
「投稿した動画は、あなたが撮影したものですか?」
ウクライナ人ジャーナリスト アンドリー・ツァプリエンコ氏
「いえ、違います。信頼できる協力者から入手しました」
バンキシャ!は、その3本の動画を提供してもらった。
まず1本目。車の中から撮影されたように見える13秒の動画。
ヘルメットをかぶり、茶色いリュックを背負った集団が、輪になっているように見える。その中心には、右手を挙げ、何かを話しているような人も。
2本目は10秒の動画。
(ロシア語)
「弱く…弱く…」
迷彩服を着ているのは兵士だろうか。ロシア語を話している場面も。顔はアジア系のように見える。一人一人が銃を持ち、その銃には、赤い印がついていた。向かって右の人物は、白い紙のようなものを持っている。
3本目は、わずか3秒の動画。男性の顔が映った後、複数の丸い物体が映る。すぐ側には、迷彩服姿の人が数人立っている。
これらはいったい何の映像なのか?
防衛省などに30年以上勤めた専門家に、この動画を見てもらった。
安全保障ジャーナリスト 吉永ケンジ氏
「銃の特徴として、これは『AK-12』じゃないかと思われます」
持っているのは、2011年に開発がはじまったAK-12という銃だと考えられるという。
安全保障ジャーナリスト 吉永ケンジ氏
「AK-12っていうのは、ロシアの地上軍で一番普及している一般的なもので特段、最新型を支給されたというわけではない」
さらに、丸い物体については…
安全保障ジャーナリスト 吉永ケンジ氏
「これが『TM-62』というロシアが持っている対戦車地雷です」
ロシアが旧ソ連時代から使ってきたもので、人ではなく、戦車の重さによって爆発する地雷だという。
この動画を入手したジャーナリストは…
ウクライナ人ジャーナリスト アンドリー・ツァプリエンコ氏
「ロシア軍の指導役が北朝鮮兵に地雷の訓練を行っている。設置と除去の方法を教えている可能性があります」
ロシア軍内部のものと見られる映像。どうやって入手したのか?
アンドリー・ツァプリエンコ氏
「北朝鮮の兵士を訓練していたロシア軍の指導役が撮影したもので、信頼できる協力者から入手しました」
11月1日か2日に撮影されたものだという。提供を受けた動画の記録データを見てみると…
バンキシャ!
「日付が11月5日の11時41分になっています」
これは、ジャーナリストが動画を入手した時刻とみられ、SNSに投稿したのは、翌6日5時29分。(アンドリー・ツァプリエンコ氏のテレグラム)
撮影日との矛盾はない。
バンキシャ!が入手した3本の動画。そこに映るのは、ロシアに派遣された北朝鮮兵なのだろうか。
バンキシャ!は、この動画を、ウクライナ軍の特殊部隊傘下で情報収集を行う組織に見てもらった。
ウクライナ軍 国民抵抗センター 報道官
「この銃はロシアの部隊が使っているものです。我々が知る限りでは北朝鮮兵も同じものを使っています。ロシアの武器である可能性が高いです」
その根拠は、銃につけられた、赤い印。
ウクライナ軍 国民抵抗センター 報道官
「ロシア軍の部隊であることを示すために色がついているんです。この動画は本物のように見えます。クルスク州にいる北朝鮮兵かもしれません」
ロシア西部のクルスク州で撮影された“北朝鮮兵”だとみられると話した。
実はこの動画の一部は、ウクライナ軍の支援団体も手に入れていた。
Blue/Yellow 共同創設者 ジョナス・オーマン氏
「クルスク州にいるウクライナ軍の兵士からもらいました」
ロシアで撮影されたとみられる動画が、なぜウクライナ側の手に渡っているのか。
Blue/Yellow 共同創設者 ジョナス・オーマン氏
「捕虜となったロシア兵の携帯電話から抜き出されたものです」
捕虜となったロシア兵から手に入れたという。
一方で、専門家が指摘したのは“別の入手経路”だ。
安全保障ジャーナリスト 吉永ケンジ氏
「スマートフォンのハッキングをしてデータを抜いている。そういうことは十分考えられる。特にこの地上戦においては、個人が持っている携帯電話が、一番情報が流出する原因になるし、むしろそれを利用して相手の敵の動きを探知する、その1つの重要なキーになっているのは間違いない」
*11月10日放送「真相報道バンキシャ!」より
最終更新日:2024年11月11日 10:14