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米カリフォルニアに迫る大地震、備えとは?

2019年8月23日 5:25
米カリフォルニアに迫る大地震、備えとは?

先月、マグニチュード6や7クラスの地震が相次いだアメリカ・カリフォルニア州。現地では、さらに深刻な被害が想定されている大地震への備えが求められている。

先月、カリフォルニア州南部を襲ったマグニチュード6.4の地震。さらに、その翌日にはマグニチュード7.1の地震が起きた。震源は、いずれもロサンゼルスからおよそ250キロ離れたリッジクレスト近郊。

マグニチュード7クラスの地震が州南部で起きるのは、20年ぶり。地元メディアなどによると、カリフォルニア州では、住宅や軍事基地に被害が広がったが、震源が都市部から離れていたことなどから人的被害は、軽傷者のみだったという。

一連の地震をきっかけに、関心が高まっている断層がある。ロサンゼルスから北西に車でおよそ3時間、サンアンドレアス断層だ。アメリカ地質調査所によると、長さは約1300キロもある。丘のような地形の間にある谷の下に、岩盤がぶつかり合う断層があるとされ、急にずれ動いたときに地震が起きる。

地震学者のルーシー・ジョーンズ氏は、サンアンドレアス断層について、こう警告する。

地震学者ルーシー・ジョーンズ氏「(断層の南部は)前回の地震から約340年という長い時間がたっているので、地震の可能性が高まっていると考えられている」

ジョーンズ氏によると、サンアンドレアス断層は、北部や南部など部分的にずれ動いて地震が起きてきた歴史がある。北部については、1906年にサンフランシスコ地震が発生。死者は、3000人以上だったとされている。

一方、ロサンゼルスにも近い南部は、150年ほどとされる地震の周期に対し、すでにおよそ340年がたっている。

地震学者ルーシー・ジョーンズ氏「たくさんのエネルギーがたまっていて、破壊が始まると大地震につながるだろう」

サンアンドレアス断層の南部でマグニチュード7.8の地震が発生した場合のシミュレーション。ロサンゼルスなどに被害が広がり、1800人が死亡するおそれがあるという。

ジョーンズ氏は、備えとして、耐震化や水の備蓄などに加え、東日本大震災の被災地で見た「地域の力」が大事だと考えている。

地震学者ルーシー・ジョーンズ氏「東北の被災者たちが地域の復興に取り組む姿を現地で見て刺激を受けた。(大地震に備え)地域の中で強いつながりをつくっておくことは大事なことだと思う」

大地震が想定されているサンアンドレアス断層。被害を減らすための取り組みが求められている。