ガザ地区の人道支援拡大決議を採択 米露が棄権…イスラエルが反発
パレスチナ自治区ガザ地区での人道危機が深刻化する中、国連の安全保障理事会は22日、人道支援を拡大するための決議を採択しました。
イスラエル軍による空爆は22日も続き、ガザ地区南部の病院には、けが人が次々と運び込まれていました。人道危機も深刻化していて、国連機関は、必要な食料の1割しか搬入されていないと訴えています。
こうした中、国連の安全保障理事会は22日、ガザ地区での人道支援拡大を目的に「敵対行為の持続可能な停止に向けた条件整備」を求める決議を採択しました。
決議では、国連のグテーレス事務総長に対し、ガザ地区への支援物資の搬入を調整、監視する国連の担当者を任命するよう求めています。
当初、採択を目指していた決議案は、「敵対行為の一時停止」を求めるものでしたが、イスラエル寄りの姿勢を崩さないアメリカが難色を示したことを受け、決議の内容が後退した形です。
採決は、日本を含む13か国が賛成、アメリカとロシアが棄権しました。
これを受けてパレスチナの国連大使は、「正しい方向への一歩だ」と歓迎した上で、改めて即時停戦を訴えました。
一方、イスラエルの国連大使は、イスラム組織ハマスへの非難が含まれていないことについて、「恥ずべきことだ」などと反発していて、今回の決議が事態の沈静化につながるかは不透明です。