イスラエル軍報道官“ハマス壊滅はできない” ネタニヤフ政権に異議唱える
イスラエルのネタニヤフ政権が壊滅を目指すイスラム組織ハマスについて、軍の報道官が「壊滅はできない」として異例となる政権への異議を唱えました。
イスラエル軍のハガリ報道官は19日、地元メディアのインタビューで「ハマスは人々の心に根付いた『思想』であり、壊滅できると考えるのは誤っている」と述べ、軍事作戦でハマス壊滅を目指すネタニヤフ政権の方針に異議を唱えました。また、ハマスに拘束されている人質についても「軍事作戦で全員を助け出すのは不可能だ」として、政府に他の手段を探るよう促しています。
これに対しイスラエル首相府は声明を発表し、「ハマス壊滅を戦争の目標の一つと定めている」と、従来の方針を強調しました。
パレスチナ自治区ガザ地区での軍事作戦を巡っては、ガンツ前国防相が今月9日、戦時内閣からの離脱を表明しました。地元メディアは、ハガリ氏の今回の発言で首相と軍幹部の間の亀裂が深まったと伝えています。
こうした中、イスラエル軍はガザ地区での戦闘を続けていて、ロイター通信によりますと、南部のラファでは戦闘機や戦車による攻撃で8人が死亡したということです。また、南部の検問所では支援物資を待っていた市民ら12人が死亡するなど、犠牲者が増え続けています。