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不安広がる…武漢市の交通機関がストップ

2020年1月23日 17:04

新型コロナウイルスによる肺炎の感染者は中国本土で560人を超えた。こうした中、中国の当局は感染者が集中している武漢市の交通機関をストップする事実上の移動制限に踏み切った。北京から富田徹記者の報告。

武漢市内で日本人の男性が重度の肺炎で入院していることがわかった。ただ、新型コロナウイルスの感染かどうかは、まだはっきりしていないという。その武漢市だが、交通の封鎖というのは23日の未明に突然発表されたもので、市民からはとまどいの声が上がっている。

駅の利用者「(封鎖については)何も聞かされていなかった。今、気づいたばかり」

駅の入り口の封鎖は日本時間23日午前11時に一斉に始まった。このほか、武漢発の空の便やバスや地下鉄、フェリーなども運行が停止されたという。

新型肺炎の感染者数は中国本土で560人を超えるなど、各地で増え続けている。これを封じ込めようということだが、市内では買いだめが始まるなど不安が広がっている。

-Q.ここまでの対応に踏み切ったのはなぜか?

習近平国家主席自ら「感染拡大阻止」を指示しているため、政府のメンツをかけて対応をエスカレートさせている。中国メディアでは「これは大きな戦争だ。勝利のためには封鎖以外の選択肢はない」と愛国心をあおる論調も出てきた。

ただ、すでに武漢の外でも感染はかなり広がっているため、効果には疑問の声も上がっている。