新型コロナウイルスの感染拡大で中国本土での死者が２００人を超えた。ＷＨＯ（＝世界保健機関）は３０日、緊急委員会で討議した結果、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言した。

ＷＨＯ・テドロス事務局長「新型コロナウイルスにおいて、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言する」

３０日、ＷＨＯはスイスのジュネーブにある本部で新型コロナウイルスの感染状況について討議した結果、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたると発表した。

先週の委員会の時点では、中国以外でヒトからヒトへの感染が確認されなかったことなどから「緊急事態」の宣言は見送られたが、その後、中国以外の国に次々と感染が広がり、ヒトからヒトへの感染も確認されたことなどを受け、国際的な対応が必要と判断した。

記者会見でテドロス事務局長は、「医療態勢がぜい弱な国への感染拡大を最も懸念している」と述べたが、人の移動や貿易の制限は現時点では必要ないとの考えを示した。

一方で中国政府は中国本土での死者がこれまでに２１３人、感染者が９６９２人にのぼっていると発表した。