“突然”辞任表明…アーダーンNZ首相 「選択できる大切さ」有働キャスターと対談も
19日、ニュージーランドのアーダーン首相が突然、辞任を表明しました。世界で初めて首相在任中に産休を取得するなど、世界からも注目されてきました。かつて有働由美子キャスターとの対談で、アーダーン首相が強調したのは「選択できる大切さ」でした。
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19日、ニュージーランドのアーダーン首相(42)が会見を開き、2月7日までに辞任することを表明しました。アーダーン氏は2017年、ニュージーランド史上最年少で首相に就任。19日の会見では「この5年で、膨大なことを成し遂げました。それをとても誇りに思います」と力強く語りました。
アーダーン首相
「私はつらいから辞めるのではありません。もしそうなら、2か月で辞めていたでしょう」
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2018年、在任中に女の子を出産し、首相として世界で初めて産休を取得しました。その年の9月には、娘と一緒に国連総会にも出席するなど育児と公務を両立。
2020年に新型コロナウイルス対策について、フェイスブックでライブ配信をした際には、こんな一幕もありました。
アーダーン首相
「保健省のアドバイスに基づいて…」
娘
「まだ終わらないの~?」
アーダーン首相
「ごめんね~。待たせちゃったね。OK!」
「みなさんごめんなさいね。この辺で娘をベッドに寝かしつけてきますね」
一方で2019年、国内でイスラム教徒を狙った銃乱射事件が起きた際、アーダーン首相は頭に黒いスカーフをまとい、イスラム教の人々に寄り添う姿を見せました。事件後には、銃規制でリーダーシップを発揮しました。
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アーダーン首相は2022年4月、有働由美子キャスターと対談しました。この中で、アーダーン首相が強調したのは「選択できる大切さ」です。
有働由美子キャスター
「日本では、出産・育児でキャリアが途絶えてしまうことを不安に感じる女性が多いと思いますが」
アーダーン首相
「すべての女性が育児に寄り添うべきとは言っていません。私が言いたいのは『女性に選択肢をあげたい』ということ。いつか働きたいのなら、それも選択可能にしてあげたい。最悪なのは『人々が選択の余地がない』と感じてしまうこと」
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辞意を表明した理由について、アーダーン首相は「政治家も人間です。私たちは最大限のことをできる限りやりますが、それには限界があります。今がそのタイミングなのです」と述べました。
■"自然体”アーダーン氏 首相で初産休…リーダーシップ発揮
有働キャスター
「アーダーンさんの辞任表明、廣瀬さんはどう受け止めました?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「本当に驚きました。産休とか、新型コロナ対応でもリーダーシップを発揮されていて、素晴らしいリーダーと思って、尊敬していました。今回の決断はニュージーランドのため、家族のため、そしてご自身のために、いろいろと悩まれた上の決断だと思うので、本当に敬意を表したいですね」
有働キャスター
「昨年、(アーダーン首相の)お話を聞いた時、『自然体でいることを大切に、国のトップを務めよう』としていらっしゃるのがすごく印象的でした。アーダーンさんは、ニュージーランドでは3人目の女性首相です。『政治の世界で、女性がリーダーシップを発揮することは当たり前だ』ともおっしゃっていたので、『次の女性リーダーがいつ来てもおかしくない』という、そういう道が続いているということが、なんか日本から見ると『うらやましいな』というふうに思いましたけれども」
(1月19日放送『news zero』より)