“注目の女性リーダー”NZアーダーン首相 突然の辞任表明「エネルギー残っていない」「その時が来た」会見で何語った?
ニュージーランドのアーダーン首相(42)が突然、辞任を表明した。世界で初めて現職の首相として産休を取得し、長女を出産したことでも知られる注目の女性リーダー。その突然の表明に驚きが広がっている。記者会見で時折、涙ぐみながら語った内容とは。
■首相の職務“エネルギー満タンでなければ務まらない”
本日は2つの重要なお知らせがあります。まずは選挙の日程です。2023年の総選挙は、10月14日に行われます。
間近に迫った選挙と次の任期(3年)について、真剣に考えました。私はいま就任6年目を迎えています。どの年も私は全力を尽くしてきました。
国を率いる仕事は、最も特権的であると同時に、最も困難なものでもあります。予期せぬ事態に備えてエネルギーを満タンにした上で、少し余分に持っておかないと仕事はできませんし、するべきでもありません。
次の任期(3年)に向けて準備をする方法を見つけたいと思っていました。しかし、それは叶いませんでした。そこで本日、私は再選を目指さず、遅くとも2月7日をもって首相としての任期を終えることを発表します。
■「自分がリーダーとしてふさわしいか見極める責任がある」
この5年半は、私の人生の中で最も充実した時でした。しかし、困難もありました。テロ事件、大規模な自然災害、パンデミック、そして経済危機などに遭遇したのです。決断の連続であり、その決断の重さは計り知れないものでした。
しかし、私は辛いから辞めるのではありません。もし、そうであれば、就任して2か月で辞めていたかもしれません。私が辞任するのは、このような特権的な役割には責任が伴うからです。自分がリーダーとしてふさわしいか、そうでないかを見極める責任があるのです。
この仕事に何が必要か理解していますし、そのための十分なエネルギーが私には残っていないことも分かっています。
■「政治家も人間」「その時が来た」
この5年間で、私たちはたくさんのことを成し遂げました。とても誇りに思っています。気候変動問題では、野心的な目標とそれを達成するための計画を立てました。子どもの貧困を改善し、福祉を充実させました。教育や職業訓練などに力を入れ、高賃金、高技能の経済へとシフトさせました。
この辞任の決断の後、いわゆる「本当の理由」は何なのか、多くの議論が交わされることでしょう。しかし、私が今日お話ししているのが、まさにその理由です。
政治家も人間です。私たちはできる限り長く、できる限りのことを全うし、最後に去る時が来ます。私にとっては、その時が来たのです。
私は4月まで議員を務めますが、その先のことは決まっていません。ニュージーランドのために働き続けたいと思っていますし、また家族と過ごす時間も楽しみにしています。
ニーブ(4歳の長女)、ママは、あなたが今年から学校に行くのを楽しみにしています。
クラーク(婚約者)、結婚しましょう。
私にこのような機会を与えてくれたニュージーランドの人々に感謝します。「人は優しくも、強くもなれる」この言葉を残したいと思います。