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史上最大・宇宙望遠鏡がとらえた画像があらたに公開 星が誕生する“断崖”から“死にかけの星”まで鮮明に

2022年7月13日 16:57
史上最大・宇宙望遠鏡がとらえた画像があらたに公開 星が誕生する“断崖”から“死にかけの星”まで鮮明に

アメリカのNASA=航空宇宙局などが開発した史上最大の宇宙望遠鏡で撮影された画像など4点が12日、新たに公開されました。画像には星が誕生する場所や銀河群などが鮮明にとらえられています。

■宇宙の“断崖”…星が誕生する場所

ハッブル宇宙望遠鏡の後継として、NASAなどが1兆円あまりをかけて開発し去年12月に打ち上げられた史上最大の「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」が撮影した画像など4枚が新たに公開されました。

星明かりに照らされた夜の岩だらけの山ように見える写真は、7600光年離れたところにあるカリーナ星雲で“星が生まれる場所”を撮影したものです。この画像の中で最も高く見える“山”の高さは7光年にあたるということです。

■惑星状星雲…「ガス」や「ちり」が鮮明に

宇宙空間にぼんやりと広がったリング。2500光年先にある、「南のリング星雲」と呼ばれる惑星状の星雲です。

“死にかけの星”の周りにはぼんやりと広がる星雲があり、星から放出される「ガス」や「ちり」でできています。さらにこの画像に写っている色とりどりの点のほとんどは、星ではなく「銀河」だということです。

星の最期が撮影されたことにより、星がどのように進化して一生を終えるのかをより深く究明するのに役立つとしています。

■ブラックホールによる「ガス」の流出も

画像に写し出された乳白色の固まりは、銀河をとらえたもので、うち4つは2億9000万光年離れたところにあります。4つの銀河は近くにあって、相互に作用し銀河の中のガスがかき乱されている様子が、かつてなく詳細にわかる画像だということです。

またブラックホールによって引き起こされた、ガスの流出もとらえられているということです。

■地球外惑星に「水」の存在も確認

こちらのグラフは、1150光年先の惑星の大気の中に水蒸気が存在することを示すものです。

ウェッブ望遠鏡で、太陽系外の惑星の大気を通過する星明かりを測定した結果、木星の直径1.2倍、質量は半分以下の惑星に「水」が存在するという明確な「しるし」が確認されました。これまでに確認できなかった雲などの証拠も見つかったといい、人間が居住可能な惑星の特徴を探るのに、大きな前進だとしています。

NASAのネルソン長官は、「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、NASAの最高傑作であることは明らかです。人類のために新たな一歩を踏み出すことをやめようとは思っていない」とコメントしています。