尹大統領“弾劾”可決の原動力 “デモ文化”K-POPに合わせ…若者の心理的垣根下げる効果か
韓国の尹錫悦大統領への弾劾訴追案可決をうけ、警察などは出頭を要請するなど、捜査も加速しています。弾劾訴追案可決に向けた一連の動きに参加した、若者らの思いを取材しました。
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弾劾訴追案が可決された尹大統領。16日、警察や検察が相次いで出頭を要請し、このままの状況が続けば、強制捜査に踏み切る可能性も指摘されています。
弾劾訴追案可決の原動力となったのが…
「弾劾しろ!弾劾しろ! 弾劾しろ!」
弾劾を求めてきた人々の声です。
警察発表によると、14日、国会周辺には24万人が集結。そのなかでも目立ったのは若い世代です。大音量で流れる人気K-POPの曲に合わせて、参加者が声を上げ、集会はまるでライブ会場のよう。こうした演出も、若者の心理的な垣根を低くする効果があったとみられます。
集会に参加 大学生
「若者は政治に関心がないと思われがちですが、今回のデモには20代の女性が多く参加しています。20代女性も国の政治に関心があると、見せつけられたのは意義深いと思います」
さらに、可決の瞬間を国会前で中学生の娘と一緒に迎えたという女性は…
中学生の娘と集会に参加 母親
「とてもうれしいです。私たちが勝ちました! まさに歴史的な瞬間です。子どもたちも塾を休ませて、一緒に連れてきました」
政治に関心をもち、行動することの大切さを、子どもにも受け継ごうとしていました。
母親と集会に参加 中学生(15)
「泣くほどうれしかったです。これからも民主主義がもっと発展する韓国になってほしいです」
そして、集会では参加者を後押しする動きも。
西山聡記者・NNNソウル
「集会会場のすぐ近くでは『民主主義を守れ』と書かれた紙のほか、寒い冬に対応するように、暖をとれるアイテムも無料で配られています」
集会の参加者を支援しようと、耳あてやレッグウオーマーなどの防寒グッズを配る人たち。私費でグッズを準備したという男性は…
グッズを配布した人
「(戒厳をうけ)子どもたちに合わせる顔がなく、何か私にできることをしたいと思いました」
大学生
「個人で(家から)持ちこむのには限界があるので、配っていただけるのは非常にありがたいです」
こうした人々の思いが実を結んだ大統領弾劾に向けた動き。今後、舞台は憲法裁判所にうつり、弾劾の最終判断は早ければ来年2月にもでる見通しです。