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“ちょいワル”岸田首相、米タイム誌の表紙も……タイトルで「真の軍事大国に」ナゼ? 日本政府が異議、ネット版の見出しで変更

2023年5月12日 10:49
“ちょいワル”岸田首相、米タイム誌の表紙も……タイトルで「真の軍事大国に」ナゼ? 日本政府が異議、ネット版の見出しで変更

アメリカの有力誌「タイム」の表紙に、“ちょいワル風”の岸田首相の写真が掲載されました。ただタイトルには「真の軍事大国にすることを望む」とあり、ネット版の記事の見出しでは「軍事大国」は削除されました。この背景には何があったのでしょうか?

■表紙タイトルに「平和主義を捨てる」

有働由美子キャスター
「アメリカの有力誌『タイム』の表紙を飾った岸田首相の写真。これだけの決め顔はあまり見たことがありません。さらに衝撃的なのがタイトルで、『岸田首相は平和主義を捨て、真の軍国主義にすることを望む』とあります」

「これを見てドキッとしましたが、なぜこうした表紙になったのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「写真については、首相周辺からは『こんな写真今まで見たことない』『ちょいワル風で良いんじゃないの?』などと評判が良いです。4月28日のインタビューの際に撮られたものです」

■ネット版の記事で「軍事」も削除

有働キャスター
「表紙の『軍事大国』の文言について、ネット版の記事になった時に見出しは変わりました」

小栗委員
「当初は『岸田首相は平和主義だった日本を軍事大国に変えようとしている』となっていたのが、『平和主義だった日本に、より積極的な国際舞台での役割を与えようとしている』と変更されました。元々あった『Military(軍事)』の言葉も削除されました」

小栗委員
「なぜ変わったのか、日本の官邸関係者などに取材しました。日本政府側から『記事の内容と見出しに齟齬(そご)、食い違いがある』と伝えたところ、タイム誌側が見出しを変えたといいます。タイム誌の記者に直接問い合わせましたが、現時点で返事はありません」

■岸田政権で...安全保障戦略は大転換

有働キャスター
「『日本は軍事大国などではない』と思っていても、アメリカ側は実はそう思っているとも考えられるのでしょうか?」

小栗委員
「私も軍事大国という言葉に違和感がありました」

「ただ確かに岸田政権になって、防衛費をロシアよりも上の世界第 3 位にまで大幅に増やそうとしたり、敵のミサイル攻撃に一定の条件のもとで反撃する能力を持てるようにしたりと、日本の安全保障戦略を大きく変えたことは事実です」

「一方で核兵器は持たないし、専守防衛は守っているということで、軍事大国かどうかは、どこに重心を置いて見るかによって変わってくるかもしれませんね」

■日本は軍事大国?海外からの視点

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「『軍事大国』というタイトルは誇張していて、フェアではないような気はしました。ただ国際社会がどう見ているか、海外のメディアがどう書くのかということは、改めてしっかりチェックしていかないといけないなと思いました」

有働キャスター
「確かにそうですね。軍事大国ではないと思っていても、外から見るとそういう一面も見えてくる。これをきっかけに、もう一度冷静な目で見つめて、G7 広島サミットでは日本が自分たちの姿を世界にどう発信するかも問われます」

(5月11日『news zero』より)