北 核・ミサイル開発主導の最高幹部降格か
北朝鮮で6月、朝鮮労働党の最高幹部から降格されたのは、核・ミサイル開発を主導してきた李炳哲(リ・ビョンチョル)氏とみられることが明らかになりました。
8日付の朝鮮労働党の機関紙・「労働新聞」は金正恩総書記が党中央委員会政治局のメンバーらと祖父・金日成主席の命日にあたる8日午前0時に、遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を参拝したと報じました。掲載された写真では、最前列で金総書記と共に政治局の常務委員である趙甬元(チョ・ヨンウォン)氏、崔竜海(チェ・リョンヘ)氏、金徳訓(キム・ドックン)氏が並んでいます。
もともと、政治局常務委員は金総書記を含め5人でしたが最前列は4人に減っています。常務委員だった李炳哲氏の姿は3列目にあり、降格したものとみられます。
北朝鮮は6月29日に開催された党の政治局拡大会議で常務委員の解任を決定しましたが、詳細は明らかになっていませんでした。今回の写真によって、解任された常務委員が、李炳哲氏とみられることが、明らかになった形です。
李炳哲氏は北朝鮮の核・ミサイル開発を主導した軍出身の幹部で、金総書記の傍らで弾道ミサイルの発射などに立ち会う姿がたびたび公開されていました。
金総書記は、政治局拡大会議で新型コロナウイルス対策に関連して、重大事件を発生させたとして「課題の貫徹を妨げるのは、幹部の無能と無責任感」などと厳しく批判していましたが、詳しい解任の理由は明らかになっていません。