高額報酬うたい…TikTokで露軍兵士を募集か ウクライナで捕虜となった中国人兵士「中国に帰りたい」
ロシア軍に参加し、ウクライナで捕虜となった中国人の兵士。動画投稿アプリ「TikTok」などで勧誘広告を見たことがきっかけで戦闘に参加することになったと語りました。彼らは「中国に帰りたい」などと訴えました。
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14日、ウクライナ政府が開いた会見。武装兵士に挟まれ、手錠をかけられた2人の男性。
「戦闘に参加する前に捕虜になった」
「私たちは故郷の中国に戻りたいです」
ロシア軍に加わり、捕虜となった中国人兵士です。
ロシア軍に参加 中国人兵士(33)
「僕は普通のサラリーマンで妻も子供もいる。でもコロナ禍で職を失ってしまい、この“仕事”についてしまった。最初は普通の仕事だと思っていた。リハビリに携わる仕事につきたかった。手続きされると、そのまま軍隊に送り込まれた。軍隊に入ったらもう逃げられなくなった」
望まないまま侵攻に参加させられ、逃げることもできずにいたといいます。そのきっかけとなったのは…
ロシア軍に参加 中国人兵士(33)
「中国のTikTokには、軍服着て武器持ってる魅力的な映像が投稿されていた」
“魅力的な映像”とはいったい…。
進軍の様子とともに流れる「ロシア、外国籍雇用兵を大量募集」の文字。具体的なやり取りも…。
「1年目の報酬は520万ルーブル(約900万円)。サインした段階で230万ルーブル(約400万円)を支払う」
高額な報酬をうたい、ロシア軍への参加を呼び掛けていましたが…
ロシア軍に参加 中国人兵士(33)
「具体的な金額は本当に知らない」
ロシア軍に参加 中国人兵士(26)
「ロシアの銀行口座作ってもらって、まず200万ルーブル(約350万円)振り込まれたけど、なぜかそのカードは使えなかった」
カードから現金をおろすことはできませんでした。さらに自身が持っていた現金も、ほとんどロシア軍に取り上げられたといいます。
戦場で何人もの兵士の死を目の当たりにしたという2人。
ロシア軍に参加 中国人兵士(33)
「後悔は尽きない。両親に申し訳ないと思ってる」
2人は、捕虜交換に参加し、家族の元へ戻ることを望んでいるといいます。ゼレンスキー大統領は「これまでに150人以上の中国人がロシア軍の一員として戦っている」と主張。一方、中国側は「政府としてロシア軍に加担していない」と強調しています。
2人は…
「私たちは中国政府とは関係ありません」
中国政府との関係を強く否定しました。
今回の会見を受け、中国側は…
報道官(日本時間15日午後4時ごろ)
「現在、関連情報などを精査しております。海外の中国公民の個人的な行為について、中国は法律に基づいて対処します」
軽い気持ちで動画のロシア軍募集に応募してしまったという2人は、「戦争に加わってはいけない」と呼び掛けています。