金総書記の前ではマスクなしだが… 北朝鮮
北朝鮮の「青年節」を記念した行事で、金総書記の周りで多くの若者がマスクなしで歓声を上げていました。これまで感染者は出ていないと主張している北朝鮮。しかし、別の行事ではマスクをしている参加者の姿が見られました。一方、アメリカ・ルイジアナ州は、ハリケーン上陸前から新型コロナの感染者で既に医療体制がひっ迫した状況でした。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
■アメリカ
アメリカ・ルイジアナ州に上陸した大型ハリケーン「アイダ」。その後、熱帯低気圧にかわりましたが、ルイジアナ州では大規模な停電が発生。少なくとも2人が死亡するなど、大きな爪痕を残しました。
一方で地元メディアによりますと、ハリケーン上陸前からルイジアナ州は、新型コロナの感染者で既に医療体制がひっ迫した状況でした。
米・ルイジアナ州 エドワーズ州知事(8月29日)
「新型コロナに感染した2450人の患者が病院に入院していた。率直に言って、病院から避難するという選択肢はありません」
これまでに3900万人以上が感染しているアメリカ。(感染者 3919万8268人 死者 64万108人 米ジョンズ・ホプキンス大 1日午後5時)
“大規模災害”と“新型コロナ”、その両方から命を守る難しさが改めて浮き彫りとなりました。
■北朝鮮
あまりに“密”すぎる光景。その中心にいたのは、北朝鮮の金正恩総書記です。
実は北朝鮮では28日の「青年節」を記念し、様々な行事を開催。
アナウンサー
「敬愛する金正恩同士が青年節祝賀行事の参加者と意義深い記念写真を撮った。金正恩総書記が到着すると、『万歳!』の歓喜の声が天地を震撼(しんかん)した」
金総書記との写真撮影では、多くの若者がノーマスクのまま歓声を上げていました。
「これまで感染者は出ていない」と主張する北朝鮮。しかし、金総書記が出席していない行事では、参加者はしっかりとマスクをしていたのです。
これまでも国営メディアでは、金総書記の前では“ノーマスク”という映像が度々映し出されていて、金総書記がその場にいるかどうかで、感染症対策が異なっているようです。
■メキシコ
330万人以上が感染しているメキシコ。(感染者 335万2410人 死者 25万9326人 米ジョンズ・ホプキンス大 1日午後5時)
大勢の人たちが並ぶ先にあったのは学校です。AP通信などによりますと、実に1年半ぶりに対面授業が再開したといいます。
小学校4年生(10)
「友達や先生にまだ会っていないのですごく緊張していますが、とてもうれしいです」
メキシコでは、新型コロナの感染拡大の影響でオンライン授業が続いていましたが、感染防止の対策をとりながら授業を受けられるようになりました。
しかし…
母親
「対策はしていますが不安です。子供たちからほかの人に(感染が)広がる可能性もありますから」
メキシコの大統領は、対面授業はあくまでも任意だとしています。
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世界中で進むワクチン接種。
8月30日、アメリカ・デトロイト動物園からある発表がありました。
「デトロイト動物園は、リスクのある動物にワクチン接種を開始しました」
“動物のワクチン接種”を行うというのです。動物用の製薬会社が開発に乗りだし、国も一部については使用を認めているという“動物のワクチン接種”。
感染リスクが高いとされるゴリラやトラなどから接種されるということです。
■ブラジル
世界で3番目に多い2070万人以上が感染したブラジル。(感染者 2077万6870人 死者 58万413人 米ジョンズ・ホプキンス大 1日午後5時)
新型コロナに関するある発表がされました。
研究者
「ヘビの毒の成分が(新型コロナ)ウイルスの非常に重要なタンパク質を阻害できることを示すことができました」
ブラジルなどに生息する大型のヘビの毒。
ロイター通信によりますと、猿の細胞を使った実験で、へビの毒に含まれる成分が新型コロナウイルスの増殖を75%抑制したという研究成果が科学誌に掲載されたといいます。
研究者
「これは長い旅への第1歩です。今回の研究で毒の成分が可能性を秘めていることが示されました」
今後は、投与する量の効率性やウイルスが細胞に侵入することを防ぐことができるのか研究するということです。