真鍋さん、ヨガに水泳…エネルギッシュな面
地球温暖化の予測モデルを開発した業績で、今年のノーベル物理学賞には米プリンストン大学の真鍋淑郎さんが選ばれました。「気候問題の研究は楽しくてしようがなかった」と振り返る真鍋さんは取材に対し、長年支えてくれた家族に感謝の言葉を述べています。
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エコバッグの推奨や、スーパーではよく見かけるリサイクルボックス。さらに─。
信濃屋食品 鈴木誠営業本部長
「お弁当箱、従来はプラスチック。当店では、紙の素材を使ってる」
スーパーだけでも多く見られた環境に配慮した取り組み。これらは全て─。
信濃屋食品 鈴木誠営業本部長
「地球温暖化、かなり厳しいところもありますから」
今や、私たちの暮らしで当たり前となりつつある地球温暖化対策。真鍋淑郎さん(90)は、その重要性を、世界中に示しました。
ノーベル物理学賞 真鍋淑郎氏(90)
「私は気候変動の研究をとても楽しくやっていました。好奇心が研究活動全ての原動力です」
“温暖化研究の父”とも呼ばれる真鍋さん。「二酸化炭素が増えると地表の温度が上がり地球温暖化が進む」ということを、物理をもって明らかにしました。
ノーベル物理学賞 真鍋淑郎氏(90)
「気候変動について ノーベル賞をいただいたということは、非常にありがたかったと思うし、非常にタイムリーな賞だと思います」
さらに─。
気象予報士 木原実
「(Q“長期予報の実現”は真鍋さんの研究成果?)そういってもいいでしょうね」
「今年は平年より猛暑が予想されます」など、長期的な天気予報が可能になったのも真鍋さんの研究のたまものなのです。
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偉大な功績が認められ、一躍時の人となった真鍋さん。ただ、知り合いの研究者の間では、ある呼び方をされているようで─。
プリンストン大の元同僚 井上国亜輝研究員(34)
「彼を表すには妖怪のようだと、みんな言うんですけどね」
真鍋さんが妖怪…?それを表す写真には、天井に向かって、ピンと足を伸ばす真鍋さんの姿がありました。
プリンストン大の元同僚 井上国亜輝研究員(34)
「私が特に知る中でも、一番エクササイズをする、運動をされている研究者だと思いますね」
ヨガだけでなく水泳やウオーキングなど、90歳とは思えないほど、エネルギッシュなことから、妖怪と呼ばれることもあるという真鍋さん。
ヨガのインストラクターも─。
ヨガのインストラクター マット・ドレイファスさん
「彼はポジティブなエネルギーであふれています。ノーベル賞受賞者であることを感じさせない、とても気さくな方です」
健康の秘訣(ひけつ)は食事にもありました。よく食べていたというのは、玄米を使ったお寿司です。長年、アメリカで過ごしてきた真鍋さん。研究に没頭するための支えとなったのは─。
ノーベル物理学賞 真鍋淑郎氏(90)
「もう彼女がいなかったらね、僕はもう生きてなかったかもしれん。もう感謝以外のなにものでもない」
妻の信子さんです。
妻・信子さん
「彼が365日24時間研究できたのは、家のこと心配しないでよかったから。チームワークですから」
仲むつまじい様子もうかがえた真鍋夫妻。月1回の散髪はいつも、2人一緒です。
美容院「BELECO」 Akiオーナー
「真鍋先生からの注文はないですね。奥さまから『もっと短くしなさい』って仲良さそうですよ本当に。(真鍋さんは)本当にかわいらしい印象ですね」
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地元の同級生からは、「しゅくやん」などと呼ばれていたといいます。
真鍋さんの同級生
「『しゅくやんおめでとう』って言いたい。帰ってくる機会があったら、ぜひ会いたいと思います」
好奇心が明らかにした地球温暖化という世界の課題─。
ノーベル物理学賞 真鍋淑郎氏(90)
「好奇心でこういう研究をやって(ノーベル賞を)もらった。だからといって我々は何を将来すべきかという問題は、それよりも100倍も1000倍も難しい。小さくても貢献できたと、非常に喜んでいます」