ミャンマーで日本人20人以上監禁か…中国系犯罪組織の拠点 詐欺行為を強制か
ミャンマーにある中国系の犯罪組織の拠点に、日本人が20人以上監禁されている可能性があることがわかりました。
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中国系の犯罪組織の拠点で撮影されたとみられる、監禁した人に暴行を加えている映像に映っていたのは、棒で何度も人をたたいている男です。お尻の色がどす黒く変色した人や、背中の皮がむけてしまっている人の姿もありました。
さらに、そうした拠点の一つで3か月前から監禁されていると訴えるモロッコ人の女性の映像も…
“監禁”を訴えるモロッコ人女性(27)
「私は肉体的にも精神的にも、あらゆる拷問を受けました。私たちには助けが必要です。ここから出ることができません。ここは、中国マフィアが支配しています」
この映像を入手し、中国の犯罪組織の監禁・暴行などを1月に告発したのは、タイの市民団体です。
人身売買被害者支援 市民社会ネットワーク
「私たちは21か国、約6000人が(監禁され)助けを求めていることを把握しています」
監禁されているという約6000人には、中国人やインドネシア人などのほか、日本人も20人以上、監禁されている可能性があるというのです。
人身売買被害者支援 市民社会ネットワーク
「日本人が大勢いることもわかっています」
場所は、ミャンマーの国境地帯です。ミャンマーの軍事政権も立ち入れないような無法地帯があり、中国の複数の組織が拠点にしているとみられています。
市民団体によると、組織はSNSに「タイで高収入の仕事がある」などとニセの情報を流して人を集め、船などでミャンマーに密入国させているといいます。そして、人身売買や身代金の要求などを行っているとみられます。
“監禁”を訴えるモロッコ人女性(27)
「ここを出るためには7500ドル(約115万円)払えと言われています」
さらに女性は“死の恐怖”におびえていました。
“監禁”を訴えるモロッコ人女性(27)
「2人の女性が自室で殺されているのが見つかりました。中国人はいつでも部屋に入ってきて、私を殺すことができるんです」
この女性はその後、無事に救出されたということです。
市民団体はまた、監禁の目的は“詐欺に加担させること”にもあると指摘します。
人身売買被害者支援 市民社会ネットワーク
「ロマンス詐欺・投資詐欺など様々な手口で、被害者をだます仕事をさせます」
拠点の映像には、パソコンに向かう大勢の人の姿が映っていました。
人身売買被害者支援 市民社会ネットワーク
「もし(詐欺を)拒否したら、数日間食べ物を与えられず、殴られ、拷問されるのです」
日本テレビは、アルバイトがあるとだまされてミャンマーの拠点に連れて行かれ、詐欺に加担させられたという中国人の男性から、15日に話を聞くことができました。
ミャンマーで“詐欺”に加担させられた中国人男性(38)
「(建物の)2~6階に詐欺をするグループがそれぞれ2つずつ入っていました」
その建物では数百人が詐欺の手伝いをさせられていたといいます。
ミャンマーで“詐欺”に加担させられた中国人男性(38)
「各フロアには銃を持った監視がいて、24時間見張っていました。毎日詐欺をやらざるを得ませんでした」
そして、現地で男性が聞いた話というのが…
ミャンマーで“詐欺”に加担させられた中国人男性(38)
「大金で何人かの日本人と韓国人を買って、暗号資産の詐欺をやっていると。ボスの話では、日本人と韓国人をだますには、やはりネーティブでないとうまくいかないって」
タイの市民団体も、“最近、組織が日本人を集めようとしている”という情報を得ているといいます。すでに監禁されている日本人もいるのでしょうか。ミャンマーにある日本大使館は事実関係を確認中としています。