【アフガン現地報告】11歳少年「家族のため…」児童労働100万人 深刻化する実情
イスラム主義勢力タリバンの復権後、アフガニスタンでは家族のために働かざるを得ない子どもたちが増加しています。国際NGOによりますと、その数は推計100万人以上。深刻化する児童労働の現状を、現地の通信員が報告します。
◇◇◇
NNNアフガン シキブ・ナザリ通信員
「去年8月の政権交代のあと、人道危機と失業率が深刻になっています。このためアフガニスタンの首都では、児童労働が増えています」
洗車の仕事をするファリードくん(11)
「僕の名前はファリード。カブールの路上で車を洗っています。毎朝6時から午前11時まで仕事をしています。そのあと制服を着て、学校に通っています。収入は1日約300アフガニ(約430円)で、家族のために使っています」
国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」によりますと、アフガンで家族のために働く子どもたちは、推計100万人以上にのぼります。タリバンの復権後、3分の1の家庭が、すべての収入を失ったということです。
働く子どもを支援する団体代表
「私たちは子どもたちに遊びの場を提供しています。フットボールや様々なゲームなど。また、意識向上のトレーニングも行っています。社会でどう生きていくべきか。どうやって自分の面倒を見るべきか」
経済制裁を科されているアフガンでは、今後も財政難が続く見通しです。
11歳の少女ザイナブさんは、母親と5人のきょうだいのために、路上で物乞いをしています。
家族を養うザイナブさん(11)
「家族の中で収入を得ているのは私だけです。お母さんを働かせたくはありませんが、何も手に入れることができない日もあります」
国連世界食糧計画(WFP)は、2022年6月から11月にかけ、人口の半数近い1890万人が深刻な食料危機に陥ると予測しています。
児童労働の問題にタリバンは…。
タリバン暫定政権 カリミ副報道官
「確かに国の経済状況はよくありません。しかし、私たちは児童労働やその他の問題を解決しようと努力しています」