開会式直前に“破壊行為” フランスの高速鉄道…駅は混乱 運転再開は3日後…オリンピックに影響は
パリオリンピック開会式直前の26日、フランスの高速鉄道の施設で複数の場所が放火される“破壊行為”がありました。この影響を受け、フランスの交通は大混乱に陥っています。
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26日、フランス・パリでは…
記者
「モンパルナス駅の状況です。多くの人たちが行き場を失っています」
人で溢(あふ)れかえっていた市内の鉄道駅。パリオリンピックの開会式が行われるセーヌ川からもほど近い場所にありますが、パリオリンピックの開会式を目前に控え、盛り上がりをみせる中、フランス国内の複数箇所で「破壊行為」があったというのです。
駅の構内ではスーツケースを片手に立ち尽くす人や、目的地へ向かうことができなくなったのか、階段に座り込む人々の姿もみられました。
フランス国鉄の発表によると、高速鉄道「TGV」の路線の3か所でケーブルに放火するなどの破壊行為が確認されたということです。場所はいずれもパリ市の外側ということですが、破壊行為で安全信号を制御するケーブルなどが損傷したため、列車の運行ができなくなっているということです。
鉄道は大幅な遅れや運行の休止が起きていて、約80万人に影響が出る可能性があるとされています。
パリ市内の別の駅でも…
開会式を観覧予定の人
「(オリンピックの)開会式を見るために来ました」
──列車の影響あった?
開会式を観覧予定の人
「列車はかなり遅れて到着しました。4時間遅れました」
ベルギーに向かう予定だったという日本人の男性も…
日本人観光客
「きょうベルギーに行く予定だが、行けない。列車止まっちゃっているし、ちょっとどうしようかという感じ」
交通の混乱はこんなところでも…
記者
「こちらはシャルル・ドゴール空港近くのバス停です。先ほどの鉄道の破壊行為の影響で多くの人の移動手段に影響が出ています」
鉄道が利用できず、移動手段をバスに切り替えた人たちもいました。
移動手段を列車からバスに変更した人
「(バスに乗るのは)破壊行為があったからです。(オリンピックの)試合を見るにはパリからバスに乗るしかありませんでした」
オリンピックの開会式に向かっていたとみられるベルギーの選手団が一時、駅から動けなくなる事態も起きていました。
被害を受けた路線では復旧作業が進められているということですが、フランス国鉄は、通常の運転再開は3日後の29日までかかる見通しを示しています。
また、パリオリンピックの開会式についてパリ市長は「影響はない」としています。
(7月26日放送『news zero』より)