トランプ氏「平和を望む男じゃない」ゼレンスキー氏「安全の保証を」 米ウクライナ首脳会談は決裂
アメリカのトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が先月28日に会談しましたが、報道陣の前で激しい口論となり、会談は決裂しました。
トランプ大統領「あなたは今、あまり良い立場にない。非常に悪い立場に身を置くことを認めてしまっている」
ゼレンスキー大統領「戦争が始まった時から…」
トランプ大統領「あなたは良い立場にない。今は(交渉の)カードを持っていない。我々がいて初めて君はカードを手に入れるのだ。今、君は賭けをしている。賭けをしているんだ。あなたは数百万人の命を使って賭けをしている。第3次世界大戦をめぐって賭けをしている。あなたがしていることは、この国に対し非常に敬意を欠くことだ。あなたの国は大きな苦境に陥っている」
ゼレンスキー大統領「分かっている」
トランプ大統領「あなたは勝ってない。私たちのおかげで、無事に済む可能性が非常に高いのだ」
会談では、ゼレンスキー大統領がアメリカの外交姿勢に疑問を投げかけたことなどから、報道陣の前でトランプ大統領と激しい言い合いとなりました。
トランプ氏は「鉱物資源をめぐる協定に合意するか、我々が手を引くか、どちらかだ」などと述べ、時折、声を荒らげる場面もありました。
会談は決裂し、予定されていたウクライナの鉱物資源をめぐる協定の合意文書への署名や、共同記者会見は中止となりました。会談後、両首脳はそれぞれの主張を展開しました。
トランプ大統領「彼は戦い続けることを望んでいる。我々は死を終わらせたい。君らも見ただろう。あれは平和を望んでいる男では、なかった。彼が流血を止めたいと思うかだけに、私は興味がある」
また、会談を再開するために必要なことを問われ、「ゼレンスキー氏はプーチン大統領について、否定的なことばかりを言う必要はない。彼は『私は平和を望んでいる。これ以上、戦争は、したくない』と言わなければならない」などと述べました。
一方、ゼレンスキー大統領はアメリカのFOXニュースに出演し、トランプ氏に謝罪すべきかを問われ、これを否定しました。
ゼレンスキー大統領「私はトランプ氏を尊敬しているし、アメリカ国民を尊敬している。私たちが何か悪いことをしたのか分からない」
ただ、会談が決裂に終わったことについては「後悔している」とも述べました。
その上で、「恒久的な平和とウクライナの安全の保証が欲しい」と訴え、再び交渉につくためにはアメリカがウクライナの安全の保証を確保することが重要だと訴えました。
また、トランプ氏との関係修復は可能だとの認識を示しました。