侵攻4年目…ロシア兵の“命の対価” 志願兵集めに多額の金銭
ウクライナ侵攻は4年目となり、ロシア軍にも膨大な戦死者が出ています。遺族がロシア兵の“命の対価”について語りました。
先月、ロシアの首都モスクワでは――。
平山晃一 NNNモスクワ「コンサート会場で愛国イベントが開かれていて、いま国歌の斉唱が行われています」
軍人をたたえる記念日に、アーティストらが愛国機運を盛り上げていました。
別の愛国イベントで出会った親子は去年、志願兵の父親を失ったといいます。
志願兵の遺族「(戦死から)1年たっても乗り越えられません」
自動車整備士だった父親は、愛国心から軍に志願し、わずか2週間で戦死しました。
志願兵の遺族「彼が国のため、子どもたちの将来のために命をささげたことは、非常に重要なことです」
ウクライナ侵攻によるロシア軍の戦死者数は「16万人以上」との試算もある中、プーチン政権は愛国心をあおるとともに、金銭的なメリットも強調して、志願兵を集めています。
私たちが向かったのは、ケメロボ州の、とあるカフェ。壁には街の戦死者の写真が掲げられてます。
志願兵の息子が戦死したカフェオーナー「息子には2人の娘がいました。『パパ、パパ』と懐いていたんです。息子の死後、国からは補償金が支払われました。2人の娘が生きていくのに十分な金額です」
ロシアでは入隊から1年で死亡した場合、2500万円近くが遺族に渡るとの試算も。
こちらの女性は志願兵の兄を失い、夫が今も戦っているといいます。
夫が志願兵として戦う女性「国の支援がどんなによくても、家族には生きていてほしい。人が命を落とすことは恐ろしいこと。平和を待っています」
侵攻から4年目となるロシアでは今、命の価値が揺らいでいます。