金正恩氏 …“最新鋭ステルス戦闘機”の製造工場などを視察 ロシア訪問3日目 翌日の“来訪予定地”では“臨時工事”?
13日にロシアのプーチン大統領と会談を行った、北朝鮮の金正恩総書記。その後もロシアにとどまり、軍事関連施設などを視察していますが、現地ではその動きに合わせ、警戒が続いています。一方、結束を強めるロシアと北朝鮮に対し、各国からけん制する動きが出るなど、厳しい見方が強まっています。
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日本時間15日午前8時すぎ、サイレンを鳴らす警察車両の後に続いていたのは、何台もの“黒塗り”の車です。車内から身を乗り出すカメラマンの先には、ロシアと北朝鮮の国旗を掲げた車がありました。ロシアを訪問中の、金正恩総書記を乗せた車列とみられています。道沿いには、歓迎に訪れたのか、ドレスを着た女性の姿もありました。
約4年半ぶりに行われた露朝首脳会談から2日。金総書記は、その後もロシアに滞在し、精力的に視察を続けています。
15日に訪ねたのは、首脳会談が行われたボストーチヌイ宇宙基地から直線距離で600キロほど離れた、ハバロフスク地方のコムソモリスクナアムーレです。
金総書記を、デニス・マントゥロフ副首相が出迎えました。地元メディアによりますと、2人は、最新鋭ステルス戦闘機などを製造する工場を視察しました。金総書記はコックピットで説明を受け、戦闘機の“デモ飛行”が行われると、拍手で応えていました。
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一方、ウラジオストクの街では、ある“異変”が起きていました。
東郷達郎 NNNウラジオストク (15日)
「ウラジオストク空港近くの鉄道駅です。階段が用意されています」
「列車から車でも降ろすのでしょうか? “坂”が臨時で設けられています」
人影が少ない駅で、工事が行われていました。金総書記が使うのでしょうか? 駅周辺には、臨時で設けられたような階段とスロープがありました。
実は、16日にも、ウラジオストク入りするとみられている金総書記。鉄道会社によりますと、16日午前7時から24時間の間、この駅への客の立ち入りを禁止するということです。
結束を強める、ロシアと北朝鮮。
各国からは両国を“けん制”する動きが出ています。
韓国 尹錫悦大統領
「北朝鮮は、核とミサイル能力を高度化させていて、軍事的威嚇をより露骨に示しています。日米韓安保協力をさらに強化し、北朝鮮の威嚇に対する圧倒的な対応力量を確保していきます」
一方、アメリカも――。
アメリカ国防総省高官
「ロシアがウクライナへの不法な軍事侵攻を継続するため、兵器を北朝鮮から取得することを阻止するべく、努力していく」
ロシアと北朝鮮への、厳しい見方が強まっています。