韓国・尹大統領 国民に謝罪、進退は「与党に一任」 与党代表「早期退陣は不可避」 野党代表は退陣求める意向
韓国の尹錫悦大統領が一時「非常戒厳」を宣言したことをめぐり、戒厳の解除後、初めて談話を発表し、国民に向けて謝罪しました。ソウルから中継です。
尹大統領は談話で国民に向けて謝罪しましたが、自らの去就については「与党に一任する」と述べるにとどまりました。
韓国・尹錫悦大統領「今回の非常戒厳の宣言は、国政の最終責任者である大統領としての切迫感から始まった。しかし、その過程で国民に不安と不便を与えた。大変申し訳なく思い、大変驚いた国民の皆様に心より、おわび申し上げます」
尹大統領は談話で、自らの戒厳宣言により国民に不安や混乱を生じさせたことに、おわびする言葉を述べました。その上で、カメラの前で頭を下げ、国民に向けて謝罪しました。
戒厳の解除後、尹大統領が公の場に姿を見せるのは今回が初めてです。
また、談話で「戒厳宣言と関連して法的・政治的責任問題を回避しない」と明らかにし、今後の責任追及から逃れることはしない考えを示しました。
一方、自らの去就については「与党に一任する」と述べるにとどまり、退陣などに言及することは、ありませんでした。
――一任された与党側は、どう対応するのでしょうか。
与党代表は「早期退陣は避けられない」と述べるなど、事態はますます不透明になってきています。
尹大統領の談話を受け、与党代表は「大統領の正常な執務遂行は不可能な状況であり、大統領の早期退陣は避けられない」と話し、退陣を求めていく姿勢に変わりはないと強調しました。
韓国の国会では7日午後5時からの本会議で、尹大統領の弾劾訴追案が採決される予定です。弾劾訴追案の可決には与党から少なくとも8人の造反者が必要ですが、大統領が談話を発表したことで情勢は流動的になってきています。
――野党側は、どのように反応しているのでしょうか。
最大野党の代表は「国民目線に全く合っておらず、非常にがっかりする」と批判しています。
さらに、「国民が感じた裏切りや怒りをさらに増大させている」と指摘した上で「韓国の最大のリスクは大統領の存在そのものだ」と強調し、尹大統領の退陣を今後も追及していく方針を示しています。
その上で、仮に7日に弾劾訴追案が否決されても、早ければ来週にも再び弾劾訴追案を提出する意向を示すなど徹底追及の構えです。