上昇率1位は、アノ名店の跡地!観光地を中心に急上昇、関西の「公示地価」京都では気になる現象も…
都市の土地価格の基準となる「公示地価」が先ほど発表されました。新型コロナで苦しんだ多くの観光地で、軒並みV字回復したものの、ある気になる現象も起きているようです。
国が土地の価格を調査し公表する「公示地価」。
今年、関西で1番の高値を記録したのは、大阪市北区の「グランフロント大阪南館」。これで5年連続の1位となりました。
1平方メートル当たりの価格は、なんと2430万円!うめきたエリア開発への期待感などから、価格の上昇は留まるところを知りません。
そして、最も高い上昇率となったのが――。
楠下一輝記者
「上昇率1位となったこのお店。周りの風景を見て、以前どんなお店があったか皆さん覚えているでしょうか?」
大阪・道頓堀の中心にあるこちらの土地。実は、巨大なふぐのちょうちんで有名な「づぼらや」道頓堀店の跡地です。
2020年、新型コロナの影響を受け、惜しまれながら閉店した「づぼらや」。3年前まで、2年連続全国ワーストの下落率を記録していて、新型コロナの影響を象徴する場所の一つでした。
しかし、今では、インバウンドを中心に多くの観光客が訪れ、かつての賑わいが復活。2年連続で上昇率が22%を越え、1平方メートル当たり760万円となるなど、コロナ前の水準に迫るV字回復を続けています。
また、インバウンドの影響による地価の上昇は、都市部だけではありません。
山口杏奈記者
「兵庫県の商業地で最も地価が上昇したのが、ここ城崎温泉の『湯の里通り』です」
軒並み地価が減少傾向にある兵庫県北部のエリアで、豊岡市の城崎温泉街は上昇率20.2%を記録。市の観光協会によりますと、去年、豊岡市内に宿泊した外国人観光客の数は約8万人で、過去最高となりました。
アメリカからの観光客
「とても素晴らしい温泉街と聞いて初めて来ました。日本酒大好きとカニ大好き。ナイスプレイス、グレイト」
マレーシアからの観光客
(Q:何を見て知った?)
「YouTubeやGoogleです。とても有名な場所です」
SNSでの動画配信は海外の観光客らが城崎を知るきっかけに。旅行先としての人気が高まっていると言います。
西村屋本館・奥田昭人支配人
「街を歩いていただくとわかるんですけど、シャッターが閉まっている店はほぼない。(新型コロナの影響で)廃業されたり、店をたたまれたところもあるんですが、空き家になるのではなく、新たな施設としてリニューアルされて、街全体が活性化しているのが要因だと思います」
専門家によると、観光業が好調で需要が高まっている一方、土地の面積が限られていることが、驚異的な地価上昇の一因になっているといいます。
インバウンドの復活が大きく影響した関西の公示地価。一方で、ある気になる現象も起きています。
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(黒木千晶キャスター)
まず、関西の地価上昇率トップ5見ていきたいと思います。
先ほどVTRにもありました『づぼらや道頓堀店跡地』が1位なんですが、京都駅の南側が軒並みランクインしています。理由としては、『ダブルツリーbyヒルトン京都駅』というホテルが誕生したり、来年度新しいホテルが誕生する予定など、やはりインバウンド客などに向けたホテルで需要が高まっているということもあって、この京都駅の南側の地価が上昇しているということです。
インバウンドに湧く京都なんですけれども、市内の定番の観光地では今ある現象が起きています。
それが『日本人観光客が減っているのではないか』ということで、こちらのデータをご覧いただきたいと思います。
京都市の秋の観光客の増減なんですけれども、水色の部分が日本の観光客の増減になっています。
そして、ピンク色の部分がこれが外国人観光客の割合なんですが、金閣寺、錦市場、伏見稲荷など主要の観光地を見てみると、軒並み外国人観光客が増えていますが、日本人の割合は減っています。
一方でこちら、『美山かやぶきの里』が近い京北ですとか、あと酒蔵が有名な伏見、さらには琵琶湖疏水が近い山科など、少し主要な観光地から離れたところで日本人の割合が増えているということなんです。
市の担当者の方によりますと、『分散観光』という政策が功を奏しているんじゃないかということですけれども、観光客の方にとっても、それから観光業の方にとっても、住民の方にとってもバランスのいい街というのを目指していってほしいなと思います。