今年の「春節」安くて“映える” ハルビン「氷祭り」が人気 “経済低迷”で国内へ… 中国
中国では今週、のべ90億人が大移動する見通しの「春節」の大型連休が始まります。“爆買い”目当てに日本を目指す人がいる一方で、今年は、大移動の行き先に“異変”が起きています。
◇
マグロにイクラ、彩り鮮やかな海鮮丼が名物の、東京・築地の飲食店「築地魚場 リトル築地場外」では、客の8割を外国人観光客が占めるといいます。なかでも多いのが、中国からの観光客です。
お客さん
「福建省です」
お客さん
「北京です」
寒さが厳しいこの日、よく注文されていたのは「オマール海老味噌ラーメン」、5500円です。
北京から来た観光客
「おいしい!」
“超高級”ですが、値段は気にならないようです。
築地魚場 リトル築地場外 三宅修司社長
「思ってる以上に、中国のお客さまが増えています」
店も、期待を寄せる中国人観光客。彼らが日本を訪れていた理由は、中国で今週始まる「春節」の大型連休です。今年は、のべ90億人が大移動する見通しとなっています。
5日、北京の空港には、早くも日本へ向かうツアー客の姿がありました。
日本へ向かうツアー客
「(コロナで)3年間、海外へ行けなかった。友人から、化粧パックやビタミン剤を頼まれている」
大量のスーツケースを持った男性の目当ては“爆買い”です。
日本へ向かうツアー客
「化粧品、電化製品とかを買おうと思うんだ」
スーツケースの半分以上は、土産を詰めるのだといいます。
◇
海外旅行の行き先として、根強い人気の日本ですが、今年は“ある異変”が起きていました。
北京の旅行会社
「(日本は)団体旅行としては、増えていない。例年の4分の1くらい」
中国経済の低迷などで、日本など海外への旅行に手が出せない人もいるといいます。
北京の旅行会社
「みんな安いところへ行きますね」
今回の春節で人気が再燃しているのが、中国国内の旅行です。若い女性向けにマッチョな俳優がアピールする動画を公開するなど、自治体はあの手この手で、春節の観光客を呼び込んでいます。
最も人気を集めていたのは、中国東北部の「ハルビン」です。
ハルビンは、気温マイナス30℃の“極寒”の町ですが、SNSで映える「氷祭り」を見に、多くの若者が集まっていました。
広東省からの観光客
「今年、TikTokですごく盛り上がっているじゃない? 雪の街とか、雪祭りとか」
かつては、北海道の「雪まつり」など、日本の冬が人気でしたが、圧倒的な安さを理由に、今年はハルビンが注目を浴びています。
特に人気なのが、全長521mの巨大滑り台です。無料で滑れるということもあって…
記者
「後ろに見える長蛇の列、大人気の滑り台なんですけれども、夕方にもかかわらず、今から並ぼうとすると3時間以上かかるということです。厳しいな…」
――3時間以上かかるみたいだけど、並ぶの?
雲南省からの観光客
「わざわざこれで遊ぶために来てるから。SNSで話題だもの」
今年のハルビンの旅行客の数は、例年の14倍にのぼるとみられ、「氷雪の奇跡」とも呼ばれています。
“安い・近い”の節約志向が続きそうな今年の大型連休は、2月10日(土曜日)から始まります。