韓国総選挙で野党圧勝 尹大統領「国政を刷新する」…日韓関係に影響は?<中継>
10日に行われた韓国の総選挙は、野党が議席を大幅に増やして圧勝しました。尹錫悦大統領は政権を支える与党が敗れたことで、今後、難しい政権運営を迫られそうです。ソウル支局から中継です。
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尹政権は目指していた、いわゆる「ねじれ国会」を解消できないどころか、惨敗とも言える結果に終わり、大きな痛手となりました。
国会議員300議席を争った韓国の総選挙は午前中までに開票作業が終わり、最大野党「共に民主党」が、いまより20議席近く増やして175議席を獲得し圧勝しました。また、最大野党と連携する方針の曺国元法相率いる「祖国革新党」も12議席を獲得し躍進しています。
一方、与党「国民の力」は108議席にとどまっています。いわゆる「ねじれ国会」は続き、与党の影響力が低下した形です。そのため尹政権が、注力する政策を進めようとしても野党に阻まれるのを避けては通れず、いわば「いばらの道」を歩むことになります。
――尹大統領はどのように受け止めているのでしょうか?
開票結果を受けて、尹大統領は「国民の意思を謙虚に受け止め、国政を刷新する。経済と生活の安定のために最善を尽くす」とコメントしています。
というのも今回、与党の敗北に繋がった大きな要因の一つに、物価高が続く状況に有効な手立てを打てない政権への不満がありました。
国民に寄り添う姿勢を見せることで、少しでもこの不満を解消したいという思いがにじんでいます。
――日本との関係に変化が出たりするのでしょうか?
尹大統領が自らの意思で、いまの日韓関係を変えていくことはないとみられています。ただ、不安要素が最大野党です。
これまでも「日本に弱腰だ」などと尹政権の対日姿勢を強く批判してきたのが最大野党です。これまで以上に力を増すことになった最大野党が、尹政権をけん制するため対日政策に批判を強めることは考えられます。
そうなると、関係悪化とまではいかないまでも、日本との協力を積極的に深めることが難しい場面が出てくる可能性はあります。