「トランプ関税」発動は“周到な戦略”…手強いトランプ政権の“脅迫外交”に各国の対応は?
アメリカによる対象国への「追加関税」に関連して、日本の株式市場も振り回されています。取引のための“周到な戦略”であり、“脅迫外交”ともいわれる「トランプ関税」の発動。近日行われる米中および日米首脳会談を前に、各国の対応について解説します。
「日本の株式市場がトランプ大統領の発言に振り回されています。カナダとメキシコに対する『トランプ関税』によって、3日の日経平均は1000円を超える大幅な値下げとなったんですが、それが一転、この関税の発動を『1か月延期する』という話が伝わり、4日朝は一時600円以上、値を上げました」
「関税というカードを使って、譲歩を引き出すやり方に、小栗さん、“脅迫外交”などという声も出ていますね」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「そうですね。あまりにも高いボールを投げつけているので、一見、突飛なことに見えますが、実はこれがトランプ氏ならではの『ディール=取引』をするための『周到な戦略だ』と、日米関係に精通する外交関係者は話しています」
小栗委員長
「そのディールの生々しいやりとりも明らかになっています。メキシコに25%の関税を突きつけたトランプ大統領とメキシコのシェインバウム大統領が協議をしました」
トランプ大統領
──関税をどれくらい停止してほしい?
シェインバウム大統領
──永久に
小栗委員長
「ところが、トランプ氏は重ねて『どれくらいの期間だ?』と迫った」
シェインバウム大統領
──1か月あればアメリカ国民にもメキシコ国民にも良い結果を出せるだろう。
小栗委員長
「土壇場で、関税発動は回避され1か月の延期が決まりましたが、この交渉によってメキシコがアメリカとの国境に1万人の兵士を派遣することと、アメリカ国内で問題になっている合成麻薬フェンタニルの流入を防止するという合意を取り付けたと、トランプ氏は胸を張ったんです」
藤井キャスター
「メキシコの大統領も抵抗したが押し切られたという感じですね」
小栗委員長
「そうですね。結局1か月先はまた、関税交渉に追われそうですね」
小栗委員長
「さきほどの外交関係者は『2期目のトランプ政権は、トランプ氏個人や閣僚の“個性”だけでなく、政策や組織を熟知するチームで運営している』と、1期目よりも手強いとの認識を示しています」
「そして、メキシコやカナダへの追加の関税はギリギリで回避されましたが、中国への追加関税は、4日に発動しました」
「これに対して中国は、即座に追加関税をやり返す“対抗措置”を取っていて、近く行われる可能性のあるトランプ氏と習近平主席との首脳会談で、どんなディールが行われるか緊張感が高まっています」
藤井キャスター
「日本時間の8日未明には、石破総理大臣がアメリカに出向いて、トランプ大統領と初の首脳会談にのぞみますね」
「現時点では、日本を名指ししてトランプ政権が追加の関税を、という声は聞かれません。ただ、ある外務大臣経験者は『直接会ってみないと何を話すか分からない』と、今回の首脳会談がトランプ氏の考えを探る機会になると注目しています」
「それだけに、石破総理の周辺は日本企業がどれだけの投資や雇用を生み出しているかを示したアメリカの地図、これは安倍元総理の時にも作ったものなのだそうですが、日本のアメリカへの投資額は“世界一”だと、とにかく分かりやすく伝える用意をしているということです」
藤井キャスター
「葵さんは、どう感じていますか」
葵わかなさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「メキシコやカナダの関税、1か月は延期になりましたが、このあとまた新しい要求があるのか…気になります。こうした状況の中での日米首脳会談で、私たちの生活にも何か変化や影響があるのか、今後の動きに注目していきたいです」
(2月4日『news zero』より)