女性の1割が流産…経験をイラストで 男性も「心の傷」分かち合い【バンキシャ!】
3月8日は「国際女性デー」。世界の女性の10人に1人が流産を経験しています。動揺と悲しみ、つらい胸の内を話すことができない孤独…1人の女性が自らの流産の経験をイラストに表現し、本にしました。(真相報道バンキシャ!)
◇
2月23日、フランス南部の町トゥールーズで、私たちが話を聞いたのはマチルド・リュミエルさん(39)。夫のトマさんと、一人娘・モナちゃん(6)と暮らしている。
実は、マチルドさんにとって、モナちゃんは“5人目の子供”。これまで4度の流産を経験した。マチルドさんは3回目の流産のあと、つらい気持ちを和らげようと自分の経験をイラストで表現していたという。
それが、約5年後の2021年に1冊の本になった。
イラストには、妊娠がわかり、「赤ちゃんを見るの楽しみ!」「本当だね!僕の鼻に似ているかな?」と新しい命を迎える幸せに満ちていた2人。
しかし、妊娠初期の8週目。検査をすると、おなかに宿った命は失われていた。動揺…そして、耐えがたい心の痛み。夫は寄り添ってくれていたが、そのつらさを周囲に打ち明けることはできなかった。
マチルドさん
「私は“失敗してしまった”“恥ずかしい”という思いがわいてしまいました」
「そのとき経験した孤独は耐え難いものでした」
そのときの自分を黒く塗りつぶされた姿で表現。周囲に対しては、「とても元気だよ!ははっ!」と笑顔で元気な自分を演じた。
しかし、心には大きな穴が…。
──この本を描こうと思ったきっかけは何ですか?
マチルドさん
「自分の中にあるものをすべて外に出したいと思ったんです」
自分のつらさを癒やすためにイラストを描き続ける中、マチルドさんはあることに気づいたという。
マチルドさん
「私自身、当時は深い孤独の中にいましたが、実際にはそうした孤独を経験している女性はたくさんいます」
「みんなでお互いの経験をシェアして話し合うだけでも、つらい経験から回復するための力になります」
口に出せないつらい経験。でも、1人で抱え続ける必要はない。マチルドさんが、この本で一番伝えたいことは、「あなたは、ひとりじゃない」。
いまも多くの読者から「周りに話すきっかけになった」と、感謝の声が届いているという。
そのマチルドさんの本に新たな動きがあった。映画プロデューサーからの打診があり、映像化に向けて動き出しているという。
◇
流産で深く傷つくのは、女性だけではない。
2月29日、イギリス中部のリバプールにあるサッカー場。この男性たちのほとんどが、パートナーの流産や死産などを経験している。同じ境遇の男性が集まり、定期的に交流を行っているという。ロッカールームでは、一人ひとりつらい思いを打ち明ける。
かつて妻が死産を経験したという男性は「毎日ベッドからなかなか出られなくて、今週はほぼ毎日、仕事に遅れてしまった」と話す。この男性の妻は現在妊娠しているという。
妻が死産を経験したという男性
「生まれてくる子の部屋の飾り付けをしている途中なんだけど、そこは前の子供が使うはずの部屋だったんだ。それを思うと…もう無理で。部屋にいることも嫌で…。悲しみと罪の意識が混ざるんです」
抱えていたつらい思いを打ち明けると、「必要なら私たち全員がサポートします」「今夜はよくここに来てくれたね」と仲間たちが寄り添う。
妻が妊娠7週目で流産を経験したという男性は、「男性として『妻をサポートしなければ』という気持ちが強くて、“自分にもサポートが必要”だとは気づかなかったんです」と話した。
男性も心に深い傷を負う。そのサポートが必要だという。
妻が妊娠7週目で流産を経験したという男性
「職場から『いつ仕事に戻る?』『十分休んだじゃないか?』と言われました」
「でも流産を経験した人は、社会から圧力をかけられることなく立ち直れるように、しっかりと悲しみに向き合う必要があるんです」
(3月3日放送『真相報道バンキシャ!』より)
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2月23日、フランス南部の町トゥールーズで、私たちが話を聞いたのはマチルド・リュミエルさん(39)。夫のトマさんと、一人娘・モナちゃん(6)と暮らしている。
実は、マチルドさんにとって、モナちゃんは“5人目の子供”。これまで4度の流産を経験した。マチルドさんは3回目の流産のあと、つらい気持ちを和らげようと自分の経験をイラストで表現していたという。
それが、約5年後の2021年に1冊の本になった。
イラストには、妊娠がわかり、「赤ちゃんを見るの楽しみ!」「本当だね!僕の鼻に似ているかな?」と新しい命を迎える幸せに満ちていた2人。
しかし、妊娠初期の8週目。検査をすると、おなかに宿った命は失われていた。動揺…そして、耐えがたい心の痛み。夫は寄り添ってくれていたが、そのつらさを周囲に打ち明けることはできなかった。
マチルドさん
「私は“失敗してしまった”“恥ずかしい”という思いがわいてしまいました」
「そのとき経験した孤独は耐え難いものでした」
そのときの自分を黒く塗りつぶされた姿で表現。周囲に対しては、「とても元気だよ!ははっ!」と笑顔で元気な自分を演じた。
しかし、心には大きな穴が…。
──この本を描こうと思ったきっかけは何ですか?
マチルドさん
「自分の中にあるものをすべて外に出したいと思ったんです」
自分のつらさを癒やすためにイラストを描き続ける中、マチルドさんはあることに気づいたという。
マチルドさん
「私自身、当時は深い孤独の中にいましたが、実際にはそうした孤独を経験している女性はたくさんいます」
「みんなでお互いの経験をシェアして話し合うだけでも、つらい経験から回復するための力になります」
口に出せないつらい経験。でも、1人で抱え続ける必要はない。マチルドさんが、この本で一番伝えたいことは、「あなたは、ひとりじゃない」。
いまも多くの読者から「周りに話すきっかけになった」と、感謝の声が届いているという。
そのマチルドさんの本に新たな動きがあった。映画プロデューサーからの打診があり、映像化に向けて動き出しているという。
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流産で深く傷つくのは、女性だけではない。
2月29日、イギリス中部のリバプールにあるサッカー場。この男性たちのほとんどが、パートナーの流産や死産などを経験している。同じ境遇の男性が集まり、定期的に交流を行っているという。ロッカールームでは、一人ひとりつらい思いを打ち明ける。
かつて妻が死産を経験したという男性は「毎日ベッドからなかなか出られなくて、今週はほぼ毎日、仕事に遅れてしまった」と話す。この男性の妻は現在妊娠しているという。
妻が死産を経験したという男性
「生まれてくる子の部屋の飾り付けをしている途中なんだけど、そこは前の子供が使うはずの部屋だったんだ。それを思うと…もう無理で。部屋にいることも嫌で…。悲しみと罪の意識が混ざるんです」
抱えていたつらい思いを打ち明けると、「必要なら私たち全員がサポートします」「今夜はよくここに来てくれたね」と仲間たちが寄り添う。
妻が妊娠7週目で流産を経験したという男性は、「男性として『妻をサポートしなければ』という気持ちが強くて、“自分にもサポートが必要”だとは気づかなかったんです」と話した。
男性も心に深い傷を負う。そのサポートが必要だという。
妻が妊娠7週目で流産を経験したという男性
「職場から『いつ仕事に戻る?』『十分休んだじゃないか?』と言われました」
「でも流産を経験した人は、社会から圧力をかけられることなく立ち直れるように、しっかりと悲しみに向き合う必要があるんです」
(3月3日放送『真相報道バンキシャ!』より)