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国連がウイグル自治区訪問も“人権侵害”明らかにならず 人権団体が「深刻な失望」表明

2022年5月30日 13:00

国連の人権高等弁務官が中国の新疆ウイグル自治区を訪問したものの人権侵害の実態は明らかにならなかったとして、人権団体は「深刻な失望」を表明しました。

国連のバチェレ人権高等弁務官は、中国を6日間訪問し、現地で刑務所なども訪れましたが、指摘される人権侵害の実態についてこれまでのところ新たな事実などは提示されておらず、バチェレ氏自身も今回の訪問を「調査ではない」と位置づけています。

これに対して、亡命ウイグル人組織の「世界ウイグル会議」は、「今回の訪問は中国にとって、人道に対する罪と虐殺を白紙に戻すための宣伝の場となった」などとして「深刻な失望」を表明しました。

またバチェレ氏が「中国の高官と率直な意見交換ができた」としていることについて、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチのケネス・ロス代表はツイッターに「静かな奥の部屋で交流することこそ、中国側が望んでいたことだ」と批判しています。